2005 Fiscal Year Annual Research Report
寒冷湿潤気候適応ノントキシック・エンドファイト系統の探策と実用化技術開発
Project/Area Number |
14206031
|
Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
雑賀 優 岩手大学, 農学部, 教授 (10183360)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 晴男 岩手大学, 農学部, 教授 (60003779)
中嶋 博 北海道大学, 名誉教授 (40001474)
井上 達志 宮城県農業短期大学, 講師 (20264351)
菅原 幸哉 畜産草地研究所, 研究員 (30355078)
山下 雅幸 静岡大学, 農学部, 助教授 (30252167)
|
Keywords | エンドファイト / ペレニアルライグラス / トールフェスク / 共生関係 / アルカロイド / 牧草種子収集 / ミネラル / ロタロッド |
Research Abstract |
ライグラス類およびフェスク類の種子収集を、近畿地方を中心に行った。生育環境のタイプ別に感染率と気象要因との関係を調べたところ、気温とは正の相関、緯度とは負の相関が見られた。ペレニアルライグラスとイタリアンライグラスを識別するDNAマーカー群を選抜し、種識別マーカーによって分類したクラスターと種の間に密接な関係が得られた。 岩手大学で収集した滝沢と深浦のエンドファイトを同定し、いずれもN.loliiであることを明らかにした。エンドファイト菌の同定に必要なRNA遺伝子(rDNA)解析のために、子房や種子からのDNA抽出法やPCR増幅の方法を検討した。 収集植物体から分離した深浦エンドファイト系統を、他品種・系統のペレニアルライグラス個体へ接種し、アルカロイド含量を比較したところ、同一エコタイプでも個体間に大きな差がみられた。 トールフェスクを供試してエンドファイト感染・非感染個体のミネラル吸収をクロボク土と赤色土で比較した。従来の試験では、P含量は黒ボク土で生育させたE+個体で高くなったが、今回は逆の結果となり、黒ボク土でエンドファイトの恩恵を受けるとの結果は得られなかった。本年は自然条件化で行ったことに加え、試験時に土壌が固くしまってしまったなどの理由で、赤色土で育てた場合に枯死する個体がでたため、個体数が少なくデータにばらつきが出たと考えられる。 低日照条件がエンドファイト感染トールフェスク個体に与える影響を調べたところ、対照区ではE+個体のP吸収量が多かったが、低日照ではE-個体との差はなかった。エンドファイト感染個体はP含有率が高かった。 アルカロイド含量が高いペレニアルライグラス集団から採った種子のアルカロイド含量を分析すると共に、マウス試験に供した。飲水および食餌を不十分にした条件で試験を行ったところ、ロタロッド機能の検査で感染群に低下傾向が見られた。また、種子を給餌後、中枢興奮薬を投与したところ、非感染種子に比較して感染種子を給与した群で顕著な震戦状態を呈した。 エンドファイト産生有害成分を含む飼料を実験動物に与えても中毒症状を示さないため、有害成分の吸収割合を調べた結果、アルカロイドの種類による吸収率に差が見られたが、実験動物間に大きな差はなかった。ロリトレムBを多く投与した場合、ハムスターではマウスより感受性が高いことが明らかになった。
|
Research Products
(7 results)