2002 Fiscal Year Annual Research Report
セルラーゼ複合体のナノ配向の解析と炭酸固定によるメタノール生成への応用
Project/Area Number |
14206038
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
大宮 邦雄 三重大学, 生物資源学部, 教授 (60023488)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶野 勉 豊田中央研究所, 生物部, 研究員
木村 哲哉 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (00281080)
粟冠 和郎 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (20154031)
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Keywords | セルロソーム / セルラーゼ複合体 / Clostridium thermocellum / 炭酸ガス固定 / 人口酵素複合体 / 表面プラズモン共鳴 |
Research Abstract |
1.酵母のtwo hybrid法を用いることにより、Clostridium thermocellumのタイプ1のドックリンとコヘシンの組み合わせ、C. thermocellumのタイプ2ドックリンとコヘシンの組み合わせおよびClostridium josuiのドックリンとコヘシンの組み合わせが、それぞれ特異的に結合することを明らかにした。 2.Clostridium thermocellum骨格蛋白質由来コヘシン5種類(cos1、cos2、cos3、cos4、cos7)およびClostridium josui骨格蛋白質由来コヘシン4種類(cos1、cos2、cos5、cos6)を大腸菌発現ベクターシステムを用いて発現させ,精製した。また、同様に、C. thermocellum由来のXynAとXynCおよびC. josui由来のAgaAとCelBのドックリンを高発現させ、精製した、BIAcore分析は次のように行った。アミンカップリングによりClostridium thermocellum骨格蛋白質由来コヘシン5種類(cos1、cos2、cos3、cos4、cos7)およびClostridium josui骨格蛋白質由来コヘシン4種類(cos1、cos2、cos5、cos6)をセンサー表面に固定化した。濃度の異なるC. thermocellum XynAおよびXynCまたはC. josui AgaAおよびCelBのドックリン溶液を添加し、コヘシンとの相互作用を測定し、解離定数を算出した。その結果、C. thermocellumのコヘシンとドックリンの組み合わせの方が(Kd=10-10〜10-11)、C. josuiの組み合わせ(Kd=10-9〜10-10)よりも親和性が高い傾向が見られた。また、同じドックリンに対する各コヘシンの親和性には最高で約10倍の違いが見られた。コヘシンとドックリンの結合には種特異性があることが、確かめられた。 3.炭酸ガスを蟻酸に変換する酵素遺伝子の単離を試みているところである。 4.固定化担体としてメソポーラスシリカ材料の一種であるFSM(Folded Sheet Material)を酵素を固定化する担体の候補として選定した。 5.C. josuiのコヘシンとドックリンの構造がC. thermocellumのそれと類似していることを推定した。 6.酵母のtwo hybrid法を用いた結果より、C. thermocellumとC. josuiの結合特性の違いは、それぞれの群で保存されたモチーフのみによるのではないことを明らかにした。
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