2004 Fiscal Year Annual Research Report
セルラーゼ複合体のナノ配向の解析と炭酸固定によるメタノール精製への応用
Project/Area Number |
14206038
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
大宮 邦雄 名城大学, 農学部, 教授 (60023488)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市原 茂幸 名城大学, 農学部, 教授 (30092993)
粟冠 和郎 三重大学, 生物資源学部, 教授 (20154031)
木村 哲哉 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (00281080)
梶野 勉 豊田中央研究所, 主任研究員
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Keywords | セルロソーム / コヘシン / ドックリン / ケイ酸ナノ多孔体 / クロロフィル / 固定化 / NADH合成 / 地球温暖化ガスの有機物化 |
Research Abstract |
嫌気性のセルロース分解細菌が固有に保有するセルラーゼ複合体(セルロソーム)の酵素群のナノ(分子)配向に関する機構を解析し、これら酵素タンパク質の軸タンパク質への結合特異性を解明した。この結合特異性を利用して人工酵素複合体を作り、炭酸ガスを有機物化し最終的にはメタノールを生産し、地球温暖化ガスをエネルギー物質に変換するための基礎的な研究をおこなった。得られたおもな結果は以下のとおりである。 1.セルロソームを構成する各種の酵素、軸タンパク質などの遺伝子を単離しそれらの塩基配列を決定し、大腸菌で発現させ、タンパク質の諸特性を解明した。 2.酵素タンパク質の分子の一部でドッケリンと呼ばれる領域が、軸タンパク質を構成するコヘシンと呼ばれる領域と特異的に結合することをBIAcoreを用いて測定し証明した。 3.結合特異性の異なる3対のドックリン・コヘシンを選び、コヘシンを2個、および3個繋いだキメラの人工軸タンパク質を構築・生産した。それぞれのコヘシンに対となるドックリンが正確に結合することを証明した。 4.ギ酸デヒドロゲナーゼ遺伝子にドックリン遺伝子を繋ぎ、このキメラが対となるコヘシンに正確に結合した。キメラ化により酵素の活性や結合特性にはほとんど差異が認められなかった。 5.NADHデヒドロゲナーゼ遺伝子をらん藻DNAからクローニングした。本酵素のNADH合成能は市販のウシ由来酵素に匹敵し嫌気性細菌酵素よりはるかに高かった。 6.本酵素にドックリンを導入したところ活性は1/5になった。 7.この酵素を8-9ナノ口径のケイ酸多孔体に70%収率で固定化できる方法を確立した。3回の繰り返し使用が可能であった。 8.あらかじめクロロフィルを固定化したナノ担体と本酵素溶液を、メチルビオロゲン(MV)介在下で光反応させたところ、NADHの合成が認められた。両者の共固定によりMVなしでも合成が認められた。(796文字)
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Research Products
(8 results)
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[Book] 応用微生物学2004
Author(s)
塚越 規弘(市原茂幸 分担執筆)
Total Pages
65-102
Publisher
朝倉書店
Description
「研究成果報告書概要(和文)」より
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