Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇於崎 宏 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (10296246)
鹿島 健司 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (70292729)
柴原 純二 東京大学, 大学院・医学研究科, 助手 (60334380)
牛久 哲男 東京大学, 大学院・医学研究科, 助手 (60376415)
大田 泰徳 東京大学, 医学部附属病院, 助手
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Research Abstract |
EBウィルス関連胃癌に関する解析で成果がみられた. EBウイルス感染特異的メチル化機序:EBウイルス関連胃癌では,多数の遺伝子プロモーター領域のCpG部位にメチル化が生じ,遺伝子発現の抑制につながっている.さらに詳細にメチル化状態を検討すると,p14遺伝子では29箇所のCpG部位に広範,均質に生じており,EB陰性胃癌の散発性非特異的メチル化とは対照的であった.EBウイルス感染に特異的なメチル化機序の存在が考えられた. IL1-β遺伝子多型:IL1-β遺伝子多型は,胃酸分泌能,ピロリ菌感染率,胃癌発生頻度の違いに寄与しているとの報告がある.EBウイルス関連胃癌細胞ではIL1-β産生がみられることから,遺伝子多型との関係を検討した.その結果,EBウイルス関連胃癌では遺伝子多型の直接の関与は見られなかったが,陰性胃癌では胃体部発生胃癌の危険因子になる多型が存在した.EBウイルス関連胃癌では腫瘍維持に,陰性胃癌では多型を通じて,IL1-βが発癌に関与している所見が得られた. EBウイルス感染ヒト胃癌細胞株:6種類のヒト胃癌細胞株にEBVを持続感染させ親株との比較を行った.EBV感染により,FCS0%条件下で増殖能の有意な増加を3株(MKN1,NUGC3,AGS)に,移動能の増加を3株(MKN1,MKN7,NUGC3)に認めた.TUNEL法によるアポトーシスの検討では,FCS10%下で2株(NUGC3,AGS)に,FCS0%下で2株(MKN1,TMK1)に有意な減少がみられた.さらに,EBウイルス感染の前後でメチル化状態に違いが生じている遺伝子も見られており,EBウイルス感染系がEB感染特異的メチル化機序をさぐる実験系となる可能性がある. 新たな実験系:EBVの構造遺伝子であるEBNA1を胃壁細胞に特異的なH-ATPase pumpプロモーターにて強制発現させる発現コンストラクトの作製を完了した.
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