2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14207015
|
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
北村 大介 東京理科大学, 生命科学研究所, 教授 (70204914)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 憲明 東京理科大学, 生命科学研究所, 助手 (10318230)
|
Keywords | B細胞 / 抗原受容体 / アダプター蛋白 / BASH / BLNK / receptor editing / B細胞初期分化 / 自己寛容 |
Research Abstract |
B細胞特異的アダプターBASHは、Btk, PLCγ2,Vav, Grb2等と結合し、B細胞抗原受容体(BCR)刺激によるPLCγ2やNF-κB、MAPK等の活性化に必要である。BASH欠損マウスでは、成熟B細胞の著減、B細胞の活性化・増殖の欠如、抗体産生低下などの異常がみられた。また、BCRのreceptor editingが障害されていた。本年度は以下のことが明らかになった。 1.B細胞初期分化:(1)BASH欠損マウスより樹立したプレB細胞株(BKO)を用いて、活性型PKCおよびRafがκ鎖遺伝子再構成を誘導すること、一方、活性型RasやIKKは単独ではそれを誘導しないことが判った。preBCRの発現抑制を起こしたのは活性型PKCのみであった。(2)活性化型RasおよびRafをトランスジーンとしてBASH欠損マウスに導入し、これらについて現在解析を進めている。 2.receptor editingと中枢性自己寛容:末梢トレランスが障害されているPKCδ欠損マウスにBASH変異を導入し、二重欠損マウスを作製した。BASH単独欠損マウスと同様、このマウスではB細胞成熟が障害され、アポトーシスを起こしやすかった。そのせいか、自己(抗DNA)抗体産生はPKCδ単独欠損マウスと差はなかった。 3.新規BASH結合蛋白の同定とその機能解析:BASH(N末端)結合蛋白BNAS1,BNAS2は両者とも4回膜貫通蛋白と予想され、核膜周囲および細胞質内の一部分に局在する。それぞれの遺伝子をDT40細胞においてノックアウトし、BCRシグナルによる細胞反応を調べた。BNAS1欠損細胞ではERKの活性化が亢進しており、BNAS1過剰発現の結果と合わせて、BNAS1はERK活性化シグナルを負に制御すると考えられた。BNAS2については現在解析を進めている。
|