2003 Fiscal Year Annual Research Report
清掃作業者のダイオキシン曝露による発癌リスク及び生殖障害に係る歴史的コホート研究
Project/Area Number |
14207018
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Research Institution | National Institute of Occupational Safety and Health, Japan |
Principal Investigator |
毛利 一平 独立行政法人産業医学総合研究所, 作業条件適応研究部, 主任研究官 (70275345)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊谷 信二 大阪府立公衆衛生研究所, 生活環境部・生活衛生課, 課長 (50250329)
甲田 茂樹 高知医科大学, 医学部看護学科・地域看護学, 教授 (50205332)
小川 康恭 独立行政法人産業医学総合研究所, 作業条件適応研究部, 部長 (60167319)
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Keywords | ごみ焼却作業 / ダイオキシン / 発がんリスク / 生殖毒性 / 男女比 / コホート研究 |
Research Abstract |
2003年3月末に約5,700名(約1,300名の焼却炉内および排煙設備における整備・清掃作業経験者=ばく露群、約4,400名のごみ収集作業従事者=非ばく露群)であったコホートについて、その後さらに規模を拡大するための働きかけをおこなった結果、2004年3月末には約7,200名(内ばく露群:1,860名、非ばく露群:5,340名)の集団となった。しかし、結局年度内に退職者の集団を確保することはできず、現状では飛灰ばく露と死因の関係について解析をおこなうことは困難となった。 このため、これまで未参加であった自治体の清掃工場労働者に対しても再度調査への参加の呼びかけをおこなうことと、新たに他界者を対象とした死因調査を労働組合に対して提起したところ了承され、来年度以降に調査票の配布および情報の収集作業に着手することとなった。また、これまでに構築したコホートに対しては健康影響調査を行い、現在調査票を回収中である(2003年3月末現在で約900名)。この他、コホート対象者のばく露評価をより正確にすることを目的として、対象者が所属する清掃工場での過去の作業環境についての質問紙調査を現在準備中である。 生殖障害への影響を目的とした児の性比の調査については、これまでにコホート対象者の第一子についてのみ解析を終えた。対象者のばく露について、作業内容別に4段階に重み付けし、従事期間との積を累積ばく露指標としたところ、ばく露なし群で男女比1.03、ばく露の第一三分位群で1.07、第二三分位群で1.16、第三三分位群で1.17と、累積ばく露量が増えるに従って、男児の比率が多くなる結果が認められた。この結果はこれまでの報告とは逆の結果となっているが、出生時期が未調整であることや、第二子以降についての解析がまだであることなど、今後の課題が残っている。なお、この解析結果については、2004年8月の国際環境疫学会での発表を予定している。
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