2004 Fiscal Year Annual Research Report
MCI(軽度認知機能障害)の危険因子に関する包括的縦断研究
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14207021
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Research Institution | National Institute for Longevity Sciences,NCGG |
Principal Investigator |
下方 浩史 国立長寿医療センター, (研究所)・疫学研究部, 部長 (10226269)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 富士子 国立長寿医療センター, (研究所)・疫学研究部, 室長 (90333393)
新野 直明 桜美林大学, 大学院・国際学研究科, 教授 (40201686)
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Keywords | 認知機能障害 / 知能検査 / 短期記憶 / 老化 / 言語性知能 / 動作性知能 / 縦断研究 / 遺伝子多型 |
Research Abstract |
約2,300名の地域住民を対象にしたコホート調査を平成9年から2年ごとに継続して実施している。今年度は平成16年5月に終了した第3次調査に参加した2378名の千項目以上の各種検査についてデータのチェック・修正等を行い、モノグラフを作成して第1次および第2次調査の結果とともにインターネット上で公開した(http://www.nils.go.jp/department/ep/index-j.html)。第2次調査と2年後の第3次調査の両者に参加した40-82歳の男女を対象に、知的機能としてWAIS-R知能検査の4下位検査を実施し、言語性知能の指標として「知識」「類似」,動作性知能の指標として「絵画完成」「符号」の合計得点を用いた。また18項目のリストから、「読書や調べごと」「スポーツ」「家事雑用」の3種の余暇活動への従事を検討した。余暇活動として「読書や調べごと」を行なった中高年者は,そうでない者と比較して2年後の言語性知能、動作性知能が高かった。一方、「スポーツ」「家事雑用」は、動作性知能に対してのみ有意な効果を認め、これらを主たる活動として行った中高年者は2年後に高い動作性知能を示した。ラットではCholecystokinin A受容体(CCKAR)の異常で記銘力障害をきたすことが知られているが、コホート集団を対象とした本研究では、ヒトでも同様にCCKAR遺伝子多型が認知能力の障害に関連することを明らかにした。Alcohol dehydrogenase 2(ADH2)の214G/A多型と頭部MRIによる脳血管性病変との関連について検討を行い、変異を有する男性でラクナ梗塞および脳梗塞の頻度が約2倍に高くなっており、遺伝子多型によるリスクは収縮期血圧の40mmHg上昇に相当していた。ADH2の多型と血管性障害に関連して特許を出願している。その他、老化や認知機能障害の候補遺伝子についての解析でPreproghelin(Leu72Met)、Receptor of advanced glycation end products 2c(AGER2c)(1704G/T)、Gamma-subunit of the amiloride-sensitive epithelial sodium channel(SCNN1G)(G-173A)、セロトニン受容体5-HT1B(HTR1B)(G861C)、lipoprotein lipase(LPL)Ser447Thr多型でIQレベルまたは鬱に有意差が認められた。
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Research Products
(8 results)