2002 Fiscal Year Annual Research Report
肝組織幹細胞(SP細胞)を用いた肝不全治療法開発のための実験的研究
Project/Area Number |
14207026
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
石井 裕正 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (20051500)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 俊文 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00222612)
斎藤 英胤 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (80186949)
加藤 真三 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (30177448)
岡野 栄之 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (60160694)
堀江 義則 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70229227)
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Keywords | SP細胞 / 肝再生 / 初代培養肝細胞 / コラーゲンゲル / 幹細胞 |
Research Abstract |
SP細胞は、もともと骨髄細胞の未分化細胞を分離する研究のなかで明らかになった細胞集団である。その後の研究で様々な組織から分離した細胞にも同じようなHoechst33342蛍光強度の低い細胞群があり、やはり未熟な細胞である可能性があることがわかりこれを組織特異的幹細胞と呼んでいる。これまでの検討で肝臓内には多分化能を有する細胞が存在しSP細胞であることを明らかにした。おそらくこの肝臓内SP細胞は肝臓に分化しやすい傾向をすでに有していることが期待される。我々は初代培養肝細胞長期培養系を用いてSP細胞をin vitroで肝細胞に分化させ人工肝臓に利用するため、肝臓内と非常に似た環境をin vitroで形成する特殊な培養法を開発した。すなわちマトリゲル・サンドウィッチ法である。さらに我々はマトリゲル・サンドウィッチ法により分化・脱分化を制御することで肝細胞分化において発現の変化する遺伝子群をDNAアレイにより把握しておりこの情報を利用することによりSP細胞をin vitroで肝細胞に分化させるinducerの候補となる遺伝子を同定することが可能と思われる。またこの情報から肝細胞分化段階における分化マーカーを決定し特に肝細胞特異的表面抗原に対する特異抗体を用いたFACSスキャンにより迅速に分化肝細胞を分離することが可能となっている。現在までのところ、我々は肝細胞の分化・誘導に密接に関わる遺伝子群を同定しつつある。更に我々はこれらの成果を肝不全の治療の応用することを目指し、肝不全モデルとしてラット肝切除モデル作成技術に習熟した。現在我々はラットをもちいて肝臓の2/3切除と細胞周期進行阻害剤レトロシル投与併用モデルを作成するができる。これに加えて上記のようにアルコール性肝障害モデルにレトロシル投与を併用して肝障害モデルも確立し、本研究に応用して将来の臨床応用をめざしての実験的システムを作った。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Ishii H.: "Physiopathology and treatment of alcoholic liver dysfunctions"Nippon Naika Gakkai Zasshi.. 91. 243-248 (2002)
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[Publications] Horie Y, Yamagishi Y, Kato S, Kajihara M, Kimura H, Ishii: "Low-dose ethanol attenuates gut ischemia/repertusion-induced liver injury in rats via nitric oxide production"J Gastroenterol Hepatol.. 18(2). 211-217 (2002)
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[Publications] Yamagishi Y, Saito H, Shimadu M, Hoshino K, Kobayashi H, Nakamoto N, Horie Y, Kato S, Morikawa Y, Kitajima M., Ishii H.: "Intensive therapy for fulminant hepatic failure: importance of co-operation between physicians of internal medicine and transplantation surgery"Nippon Shokakibyo Gakkai Zasshi.. 99(10). 1205-1207 (2002)
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[Publications] Tamai H, Horie Y, Kato S, Yokoyama H, Ishii H.: "Long-term ethanol feeding enhances susceptibility of the liver to orally administered lipopolysaccharides in rats"Alcohol Clin Exp Res.. 26(8 Suppl). 75S-80S (2002)
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[Publications] Horie Y, Yamagishi Y, Kato S, Kajihara M, Tamai H, Granger DN: "Role of ICAM-1 in chronic ethanol consumption-enhanced liver injury after gut ischemia-reperfusion in rats"Am J Physiol Gastrointest Liver Physiol.. 283(3). G537-G543 (2002)
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[Publications] Adachi M, Ishii H.: "Role of mitochondria in alcoholic liver injury"Free Radic Biol Med.. 32(6). 487-491 (2002)