2003 Fiscal Year Annual Research Report
プリオン病をはじめとしたコンフォメーション病の治療薬剤の開発と作用機序解明
Project/Area Number |
14207030
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
堂浦 克美 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00263012)
|
Keywords | コンフォメーション病 / アミロイド / プリオン / Aβ / 予防治療薬 / スクリーニング / in vitro実験 / 分子間相互作用解析 |
Research Abstract |
異常型プリオン蛋白への効果を確認している化合物群を基本構造とする「コンフォメーション病」治療薬候補化合物のライブラリーをさらに拡充するため、市販品ライブラリーからの候補化合物探索・選定と、比較的単純な化合物を中心とした合成展開を継続した。これらの化合物について、複数のプリオン持続感染細胞を用いたアッセイ系と、アミロイド化ペプチド(Aβ1-40/42,アミリン)とGT1-7細胞あるいはprimaryのアストロサイトを用いたアッセイ系でスクリーニングを行い、異常立体構造蛋白の産生・凝集体形成や神経細胞毒性を強力に抑制し、それ自身の神経細胞毒性が低いものを継続して探索した。新たにbenzothiazole環含有化合物や硫酸多糖体化合物に多数の有効化合物を発見し、特許を出願した。 一方、プリオン蛋白、Aβ蛋白、アミリン、トランスサイレチンのペプチド断片や組換え体蛋白を用いて表面プラズモン共鳴法で解析し、阻害化合物の蛋白質上の結合ドメインを調べた。その結果、硫酸多糖体化合物の最小薬効単位が鍵二糖構造であり、それが認識する蛋白質上のドメインに共通したアミノ酸配列があることを発見した。また、コンピューター上で蛋白と阻害化合物の相互作用をシミュレーションし、in silicoスクリーニングを行うための基盤づくりを、プリオン蛋白をモデルにして行った。その結果、阻害化合物のプリオン蛋白上の結合ドメインと結合様式を明らかにした。 さらに、in vitroアッセイで極めて有効性を発揮したものの中で脳内移行性が良好であると推定される化合物のうち、代表的なCongo red誘導体、benzothiazole環含有化合物について、プリオン病モデル動物などのモデル動物で末梢投与での治療効果を臨床的かつ病理組織学的に評価した。その結果、脳組織中での分解代謝が遅いCongo red誘導体において治療効果が観察された。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] Doh-ura K: "Treatment of transmissible spongiform encephalopathy by intraventricular drug infusion in animal models"Journal of Virology. (In press). (2004)
-
[Publications] Ihikawa K: "Amyloid imaging probes are useful for evaluation and treatment of transmissible spongiform encephalopathies"Journal of General Virology. (In press). (2004)
-
[Publications] Furukawa H: "Accumulation of prion protein in the muscle fibers of experimental chloroquine myopathy : in vivo model for deposition of prion protein in non-neuronal tissues"Laboratory Investigation. (In press). (2004)
-
[Publications] Murakami-Kubo I: "Quinoline derivatives are therapeutic candidates for transmissible spongiform encephalopathies"Journal of Virology. 78. 1281-1288 (2004)
-
[Publications] Ando Y: "A novel tool for detecting amyloid deposits in systemic amyloidosis in vitro and in vivo"Laboratory Investigation. 83. 1751-1759 (2003)
-
[Publications] 堂浦克美: "プリオン病治療薬の開発"神経研究の進歩. 47. 109-118 (2003)
-
[Publications] 堂浦克美: "脳科学研究の現状と課題 プリオン病研究の進歩"杉田秀夫, 高橋清久 編集 じほう社、東京. 311-315 (2003)