2004 Fiscal Year Annual Research Report
プリオン病をはじめとしたコンフォメーション病の治療薬剤の開発と作用機序解明
Project/Area Number |
14207030
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
堂浦 克美 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00263012)
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Keywords | コンフォメーション病 / 治療薬開発 / プリオン病 / アルツハイマー病 / in vitro実験 / 動物実験 / 作用機序 / in silicoスクリーニング |
Research Abstract |
異常型プリオン蛋白への効果を確認した化合物群を基本とする「コンフォメーション病」治療薬候補化合物のライブラリーの中から、毒性が低く経口投与での治療効果が期待できる化合物をいくつか選択して合成し、in vivoでの毒性と治療効果を検定した。その結果、化合物Dは毒性が見られない低用量の経口投与で、プリオン病モデル動物において著明な発症予防効果を確認した。また、アルツハイマー病モデル動物においてもAβ凝集沈着による炎症反応を抑え、治療効果を確認した。3種のin vitroアッセイ法(複数のプリオン持続感染細胞を用いたアッセイ法、アミロイド化ペプチド(Aβ1-40)の凝集抑制アッセイ法、アミロイド化ペプチド(Aβ1-40)による神経細胞毒性の抑制アッセイ法)で、治療薬候補化合物のスクリーニングを継続した結果、異常立体構造蛋白質の産生・凝集体形成や神経細胞毒性を強力に抑制し、それ自身の神経細胞毒性が低い新規化合物を発見した。この化合物のin vivoでの毒性はきわめて低く、すでに発見しているいずれの治療薬候補化合物とも構造において類似性が認められなかった。その作用機序について解析を進めているが、これまでのところ既発見の治療候補化合物の作用機序とは全く異なっていることが判明している。この化合物についてin vivoでの検討を行い、プリオン病モデル動物において著明な治療効果と予防的効果を確認した。一方、これまでの治療薬候補化合物の作用機序に関する研究成果を基にしたコンピューターを用いた合理的医薬分子設計として、in silicoスクリーニング法を実施した。ヒットした化合物について抗プリオン作用の有無をプリオン持続感染細胞で検証した結果、標的蛋白質と治療化合物の相互作用に関する結合様式や結合部位に関して計算的に得られたデータが信頼のおけるものであることが実証された。
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Research Products
(14 results)