2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14207039
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
米倉 義晴 福井大学, 高エネルギー医学研究センター, 教授 (60135572)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤林 康久 福井大学, 高エネルギー医学研究センター, 教授 (50165411)
岡沢 秀彦 福井大学, 高エネルギー医学研究センター, 助教授 (50360813)
木村 浩彦 福井大学, 医学部, 助教授 (10242596)
土田 龍郎 福井大学, 医学部附属病院, 助手 (70303386)
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Keywords | 脳血管障害 / 脳虚血 / 脳循環代謝 / ポジトロン断層撮影 / 磁気共鳴画像 / シングルフォトン断層撮影 / 低酸素耐性 |
Research Abstract |
日本人の高齢化に伴い、虚血性脳血管障害は頻度の高い病因および死因の一つとして重要な疾患であり、診断法の向上や病態の解明は、重篤な脳梗塞の予防の上でも積極的に取り組むべき課題である。本研究では、ポジトロン断層撮影(PET)、シングルフォトン断層撮影(SPECT)、MRIなどの非侵襲的脳機能撮像法を用い、虚血性脳血管障害における脳循環動態解析と早期臨床診断への応用を目指した。 脳梗塞等の形態的変化を生じる以前の生理的機能低下状態を、血流低下や代償性血管拡張等を捉えることで的確に診断し、外科的治療の適応を判断することが可能である。脳主幹動脈閉塞性病変の解析では、病側大脳半球における動脈血管拡張能の残存の程度が脳血流自動調節能の失調と関わりが深いことが確認できた。更に今回の検討では、これまで予想されていた血管拡張能と酸素摂取率との逆相関は認められず、血管予備能の測定で貧困灌流を予想できるとしたこれまでの報告が、必ずしも正しくないことを明らかにした。血管拡張能の低下は代謝の変化とは独立した生理的指標として評価されるべきと考えられる。 現在脳血流の定量はPETおよびSPECT、代謝の定量はPETのみでしか測定できないが、より汎用性の高いMRIでの定量計測を確立することは、臨床診断上極めて重要な課題である。我々はMRIでの新たな血流量撮像法を開発し(CASL法)、これにより測定した正常者及び脳血管障害患者の血流をPETと対比することで、測定精度の向上を図りその妥当性が確認した。また、ラットの新鮮脳切片を用いた低酸素状態による代謝反応の基礎実験では、興奮性アミノ酸およびフリーラジカルによる神経組織障害の機構を解明した。更に、短時間の低酸素状態を頻回に加えることで、低酸素負荷が脳組織に与える障害に対しての耐性を誘導できることが明らかとなった。
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Research Products
(6 results)