2004 Fiscal Year Annual Research Report
生体臓器移植におけるドナー特異的免疫寛容誘導の臨床応用へのアプローチ
Project/Area Number |
14207049
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
北島 政樹 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90112672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島津 元秀 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (70124948)
若林 剛 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (50175064)
田辺 稔 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (50197513)
新見 正則 帝京大学, 医学部, 助教授 (80198415)
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Keywords | 免疫制御細胞 / 粘膜免疫 / 抗原経口投与 / 抗原経気管支投与 / 免疫寛容 / 樹状細胞 / 生体臓器移植 |
Research Abstract |
マウスの心臓移植モデルを用いて (1)抗原ペプチドの経口投与または気管内投与により心臓移植片の拒絶を完全に抑制する細胞群を誘導出来た。 (2)この細胞群には免疫制御T細胞と免疫制御樹状細胞が存在している。 (3)免疫制御T細胞と免疫制御樹状細胞はそれぞれ単独に移植心の拒絶を抑制できる。 (4)抗CD40抗体や抗CD4抗体の併用で完全に拒絶を抑制しうる免疫制御T細胞を誘導できる。 (5)免疫制御T細胞にはCD80/86シグナルや、TNF-familyのシグナル、PD-1などがそれぞれ独立して関与している。一方、経気管投与の系においてサイトカインではIL-10の存在が誘導には必須である。 (6)免疫制御T細胞と免疫制御樹状細胞による免疫抑制はドナー特異的である。 (7)免疫制御T細胞と免疫制御樹状細胞による拒絶反応の抑制は感作されたレシピエントにも有効である。 (8)免疫制御細胞の誘導には、Mycophenolate mofetil, Rapamycinは相乗的に働き高濃度Tacrolimus、Azathioprine、Cyclosporineは誘導を阻害する。 (9)15-deoxyspergualin、Ursodeoxycholic acid、H2-blocker, Cox-2 inhibitorは免疫制御細胞を誘導する。 (10)免疫制御T細胞の分画のひとつは、CD4+CD25+CTLA4+である。 生体肝臓移植の採血から (11)免疫制御T細胞と思われる分画(CD4+CD25+CTLA4+)は拒絶反応が生じる前に低下する頻度が高い。 マウスを用いた結果は特異的免疫誘導システムを人為的に作り上げることができたことを示し、臨床材料の結果からは免疫制御T細胞の変化が拒絶反応と相関している可能性が高いことを示している。これらの結果を臨床応用するためには免疫制御T細胞分画のさらなる解析が必要である。
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Research Products
(7 results)