2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14207054
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
藤井 幸彦 新潟大学, 脳研究所, 助教授 (40283014)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 力 新潟大学, 脳研究所, 教授 (50281720)
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Keywords | 脳機能 / 再構築 / 機能的磁気共鳴画像 / 片麻痺 / 超高磁場 / 機能回復 / 運動機能 |
Research Abstract |
本研究は、運動障害の機能回復と脳機能再構築とのメカニズムの詳細解析を通して、臨床への直接的なフィードバックを視野に入れた運動機能の神経科学的解明を行うことを目的としている。また、単発的なプロジェクトではなく、臨床症例を対象としながらも、侵襲的動物実験に勝るとも劣らない高度な脳機能解析を可能とした、高磁場MRI装置による系統的長期プロジェクトに沿った、段階的要素解析のひとつとして計画され、実践されているプロジェクトである。ヒトを対象とした実験系を組む限り、ヒトに特異的な脳機能を対象とするべきであるとの理念に基づき、「利き手」および「言語」を対象とした運動機能構築の詳細解析を続けている。基本となる技術は、functional MRIによる機能局在解析と、diffusion tensor analysisによる神経線維connectivity解析である。 前年度までに、正常被検者、皮質下梗塞患者、脳腫瘍患者、を対象とした検索により、利き手は、prenatalもしくはneonateの極初期の段階で決定されている事項であり、利き手に関連した神経機構が非優位半球に存在すること、社会的要請から強制的に利き手の変更を求められた正常被験者では、皮質下梗塞による利き手の麻痺からの回復にともなうと同様の皮質機能再構築が起こっていること、皮質下梗塞患者において、不必要に強い補足運動野の活動が、その機能回復を妨げている可能性があること、などを解明してきた。本年度は、前年度まで行ってきた「利き手解析」から得られた情報をもとに、言語活動に関する運動機能の詳細と、その障害としてのstutteringに焦点を移して、その詳細解析を行った。これまでの研究で、言語機能に関連した運動機能の実践においては、すでに一次運動野のレベルで半球特異性が確立されていること、優位半球の一次運動野は非優位半球のそれよりも明らかな機能分離が進んでいること、言語運動に関しては両半球一次運動野のsynchronicityが重要な要素を持つこと、stutteringを呈する被験者においては、両半球一次運動野synchronicityの著しい低下が観察されること、などを捉えている。
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Research Products
(11 results)