2004 Fiscal Year Annual Research Report
網膜神経細胞障害性眼疾患における神経細胞保護・再生治療の基礎的・臨床的研究
Project/Area Number |
14207069
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
新家 眞 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (00092122)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富所 敦男 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (80227628)
玉置 泰裕 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (20217178)
柏木 賢治 山梨大学, 医学部付属病院, 講師 (30194723)
|
Keywords | 神経保護 / 神経再生 / 緑内障 / 眼循環 / 幹細胞移植 |
Research Abstract |
1)ラット網膜神経節細胞の単離培養系およびMuller細胞単離培養系を用いたin vitro実験 ・ラット網膜より単離した網膜グリア細胞に低酸素負荷を与え未知の遺伝子の発現を確認した。 ・培養細胞に加重負荷を与える装置を新たに開発し、負荷によるラット網膜視神経節細胞の生存率の減少・形態変化を認めた。また、網膜グリア細胞が神経保護的に働く可能性を認めた。 ・ラットの網膜ミュラー細胞にGLT-1,GLAST, EAAC-1の3種のグルタミントランスポーターの発現があり、なかでもGLASTの発現レベルが最も高いことを認めた。 ・低酸素下のラット網膜グリア細胞には負荷早期に内皮型、後期に誘導型・神経型の一酸化窒素合成酵素の発現が上昇し、前者は神経保護作用を、後者は神経毒性を示す可能性が推測された。 ・マウスから高純度の網膜神経節細胞を単離する方法を確立した。 2)網膜幹細胞による網膜再生能に関する実験 ・レーザーによるマウスの高眼圧モデルを作成し、電子顕微鏡組織切片のデジタル解析により部位特異的な視神経障害のパターンを明らかにし、網膜再生能の実験を進めるための有用な動物モデルとなりうることを示した。 ・マウスの皮膚幹細胞を採取・培養して細胞懸濁液を作成し、網膜変性ラットの網膜下に注入して少なくとも8週以上にわたり生着することを確認した。網膜細胞への分化マーカーは検出されなかったが自己網膜細胞に対し保護的に働く現象を認めた。 3)ラット眼およびサル眼を用いたin vivo実験 ・カニクイザル眼の線維柱帯光凝固によって持続的な高眼圧モデルを作成し、緑内障に特徴的な視神経乳頭の形態変化が生じることを確認し、対側眼を対照として網膜や視神経乳頭の形態・循環のin vivoでの解析を可能とした。 ・カルシウム拮抗薬ロメリジンがサルの視神経乳頭血流を有意に増加させ、その効果が緑内障モデル眼では減弱している可能性を明らかにした。
|
Research Products
(3 results)