2004 Fiscal Year Annual Research Report
難治性根尖性歯周疾患における細菌バイオフィルムの実態と抑制に関する多面的研究
Project/Area Number |
14207080
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
恵比須 繁之 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (50116000)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野杁 由一郎 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (50218286)
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Keywords | 難治性根尖性歯周疾患 / 細菌バイオフィルム / 根尖孔外バイオフィルム / 免疫組織化学 / 局在性 / Er : YAGレーザー / ガッタパーチャポイント / 微細形態学 |
Research Abstract |
平成14-15年度に得られた,難治性根尖性歯周炎に関与する根尖孔外バイオフィルム細菌の遺伝子解析法による同定結果をもとに,Porphyromonas gingivalis, Fusobacterium nucleatumならびにTannerella frosythensisの3細菌種に対する特異抗血清を用いて,これらの細菌種の局在性を免疫組織化学的に検索した.抗P.gingivalis抗体に対する陽性反応は,セメント質に近接した部位からバイオフィルム表層にかけ散在性に観察された.F.nucleatumはバイオフィルムの中層から表層にかけ,T.frosythensisはバイオフィルムの最表層部で検出され,個々の細菌種がそれぞれ特定の局在傾向を示すことが明らかとなった. In vitroにおけるバイオフィルム形成実験系にて,Enterococcus faecalis, Streptococcus mutans, Actinomyces viscosusならびにPropinibacterium acnesといったグラム陽性細菌種の単一細菌バイオフィルムを作製し,Er : YAGレーザーによるバイオフィルムの排除・抑制効果を検索した.S.mutansとA.viscosusは,被験した全群(20,40ならびに80mJ照射群)においてコントロール群に比べ有意に生菌数が減少したが,E.faecalisとP.acnesは20mJ照射君では有意差はみられなかった.レーザー照射後のバイオフィルムを微細形態学的に検索したところ,P.acnesを除く3細菌種においてバイオフィルム表層の菌体細胞に扁平化が観察された.さらに,in vitroにおいてガッタパーチャポイントに対する各種プラーク細菌のバイオフィルム形成能を検索し,50%以上の血清添加培地においてE.faecalisなどのグラム陽性細菌が強いバイオフィルム形成能を有していることを明らかにした. 一方,P.gingivalisのバイオフィルム形成に関与する遺伝子(gtfA)の発現部位の免疫電顕的検索は研究実施期間内に達成できず,課題として残った.
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Research Products
(6 results)