2004 Fiscal Year Annual Research Report
顎顔面骨格の再生医療に向けた軟骨分化決定因子に関する研究
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14207092
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Research Institution | OKAYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
山本 照子 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (00127250)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
滝川 正春 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20112063)
山城 隆 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (70294428)
黒田 晋吾 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (40332796)
福永 智広 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (70362994)
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Keywords | レーザーマイクロダイセクション / 新生仔マウス下顎頭軟骨 / 未固定非脱灰切片 / collagen type I / collagen type II / collagen type IX |
Research Abstract |
本研究は、顎顔面骨格の形成に重要な役割を果たしている軟骨細胞の分化に関与する遺伝子について検討したものである。平成16年度は、レーザーマイクロダイセクション法により単離した細胞から抽出したRNAの解析を試みた。平成15年度に確立した、新生仔マウス下顎頭軟骨から単離したI型コラーゲン遺伝子を発現する軟骨細胞群とI型コラーゲン遺伝子を発現しない軟骨細胞群の2群を用い、それぞれの細胞群が発現する遺伝子のプロファイリングをGeneChipプローブアレイを用いたマイクロアレイ法で行った。現在、これらのデータを解析中であり、研究成果の投稿準備中である。さらに、マウス軟骨組織に特異的に発現することが知られているZac1遺伝子の骨格成長、特に内軟骨性骨化における機能について検討した。まず、種々の発生時期のマウスおよびニワトリ胚肢芽組織において、Zac1遺伝子の発現をin situハイブリダイゼーションにて検討した。その結果、Zac1遺伝子は軟骨特異的な基質であるIX型コラーゲンならびにプロテオグリカンコアプロテインと同様な発現パターンを示した。次に、軟骨細胞培養系を用いて、軟骨の分化に伴うZac1遺伝子の発現をRT-PCRにより検討した。胎生17日齢ニワトリ胚胸骨より軟骨細胞を分離して3週間培養したところ、経時的にZac1遺伝子の発現は減少した。また、軟骨基質の産生減少と分解を促進することが知られているレチノイン酸(RA)とインターロイキン-1を培地中に加えたところ、Zac1遺伝子の発現を著明に低下させた。最後に、Zac1の軟骨基質代謝への影響を調べるために、Zac1遺伝子をニワトリレトロウイルス系を用いてニワトリ軟骨細胞に導入し発現させ、green fluorescent proteinを組み込んだ対照群の細胞と比較検討した。その結果、これらの細胞にRAを作用させると、対照群ではIX型コラーゲンの発現の減少とMMP-13,ADAM-TS5の発現の増加が認められたが、Zac1遺伝子導入群では、これらの変化が顕著に抑制された。以上の結果より、Zac1は軟骨基質代謝を調節することにより軟骨発生制御に関与すること、Zac1の発現が軟骨組織の恒常維持に重要であることが示唆された。
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Research Products
(6 results)