Research Abstract |
平成16年度は本研究課題の3年目であった。今年度は本調査の2年目にあたり,各研究者とも意欲的にフィールドに出かけ,研究成果が表れ始めている。研究成果の一部は公表されつつある。 今年度は昨年までの予備調査,資料収集等を終え,本調査を実施している。松田が提案した各国での生活時間調査は,天野,深澤,佐川らの連携協力によって,日本,タイ,フィリピン,マレーシアで実施され,各国の子どもたちの生活と生活時間の使い方が比較文化的に明らかにされようとしている。また,矢崎は急激な現代化が進む中国における学校スポーツの変容について,松田はタイの社会状況の変化に揺らぐ学校とスポーツを,平井は大学スポーツが当該国のスポーツに及ぼした影響について,佐川は教育意識が急激に変容しつつあるタイ農民と学校の関わりについて焦点を絞って研究を進めている。また,深澤はクアラルンプールとコタキナバルというマレーシアの2地点で,佐川は東北タイ,南部タイ,バンコクというタイ国の3地点を比較しながら研究を進めているほか,平井はタイ,マレーシア,フィリピンという参加国を比較しながら研究を進めており,本研究課題の特徴である比較文化的な成果が期待される。 平井が中心となって9月に大津市で開催した「アジアスポーツフォーラム」には,中国,韓国,台湾,フィリピン,タイ,マレーシア,オーストラリア,ニュージーランド,フィジーからの参加者を迎え,各国の学校スポーツと身体文化の特徴について相互に報告を行った。このフォーラムの成果として,「学校スポーツ」を巡る問題は各国の重要課題であり,今後も研究成果の相互交換・公表を続け,アジアスポーツ研究ネットワークを構築・継続していくことが必要であることを確認した。 このほか,昨年度に続いて留学生をパネラーとした学校スポーツについてのディスカッションをおこなった。また,定期的に研究会を開催して,相互に研究の進捗状況や成果の確認をおこないながら研究を進めている。
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