2005 Fiscal Year Annual Research Report
アジア地域における身体文化と学校スポーツに関する比較文化的研究
Project/Area Number |
14208004
|
Research Institution | KANAZAWA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
佐川 哲也 金沢大学, 教育学部, 助教授 (70240992)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
天野 郡壽 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (10031337)
深澤 宏 秋田大学, 名誉教授 (10006596)
沢田 和明 滋賀大学, 教育学部, 教授 (20053332)
松田 恵示 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (70239028)
矢崎 弥 東京理科大学, 理学部, 助教授 (70211612)
|
Keywords | アジア / 身体文化 / 学校スポーツ / 体育 / スポーツ社会学 / 伝統スポーツ / グローバル化 |
Research Abstract |
平成17年度は,本研究課題の最終年であり,研究分担者は個別の研究成果を総括するための追加調査を実施したほか,4年間の研究成果を日本と各調査地域で報告した。 松田を中心として実施した生活時間調査では,データ数を増やすことを主目的として,タイとフィリピンにおいて追加調査を実施し,得られた全データを資料とした地域比較的分析結果を報告した。深澤は日本とマレーシアで実施した調査をタイ語に翻訳し,タイでも追加調査を実施してその成果をとりまとめている。 本研究課題で得られた成果は,日本スポーツ社会学会において報告されたほか,台湾師範大学が開催した国際学術検討会において報告された。平井はフィリピンで開催された東南アジアスポーツ競技大会のプレコングレスにおいて本研究の成果についての招待講演を行った。深澤は北米スポーツ社会学会においてその成果を発表した。 国内で開催してきた「アジアスポーツ研究会」では,欧米から見たアジアと日本の文化的特徴を議論するため,大英博物館の名誉日本文物部長であり,宮本武蔵「五輪書」を英語訳したビクター・ハリス氏を招聘して討論を行った。また,本研究課題を総括するに当たり,研究分担者の成果を持ち寄っての座談会「アジア地域における身体文化と学校スポーツに関する比較文化的研究」を開催した。座談会では,「身体文化」「学校スポーツ」「フェアプレイ」などのキーワードを再検討しつつ,日本とアジアの「スポーツ」「体育」の特徴について討論を行った。本研究課題の目標であった「アジア的視座で身体文化と学校スポーツを再検討する」ことについては,最終結論を導くまでには至らなかったが,本テーマの意義と検討の可能性については大いに確認され,今後ともこの目標に向かって研究と討論を継続していくことが重要であると合意するに至った。 本研究課題では,アジア地域のスポーツ研究をフィールドワークによりながら実施するとともに,アジア地域の研究者とのネットワークの構築と学術交流の促進を使命として取り組んできた。4年間の集中的な現地調査の実施により,バイラテラルのみならずマルチラテラルな関係を構築することに成功したと確信している。我が国の研究者がリーダーシップを執りつつも,アジア地域の研究者とその研究を今後とも支援していく必要があると再認識した。アジア地域のスポーツ研究の一層の発展を支援するためにも,互いの研究協力をさらに促進し,ともに発展していくよう努めていきたいと考えている。
|
Research Products
(2 results)