2003 Fiscal Year Annual Research Report
慢性ストレス症候群のメンタルヘルス改善のための運動処方プログラムの開発
Project/Area Number |
14208005
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Research Institution | National Institute of Fitness and Sports in Kanoya |
Principal Investigator |
芝山 秀太郎 鹿屋体育大学, 学長 (00162644)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田巻 弘之 鹿屋体育大学, 体育学部, 助教授 (40253926)
竹倉 宏明 鹿屋体育大学, 体育学部, 教授 (00206963)
倉田 博 鹿屋体育大学, アドミッションセンター, 教授 (80056895)
宮地 元彦 国立健康・栄養研究所, 身体活動調査研究室, 室長 (60229870)
斉藤 和人 鹿屋体育大学, 保健管理センター, 教授 (50170494)
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Keywords | 随意運動 / 脳活動 / 大脳皮質運動野 / 大脳基底核 / 視床 / 大脳辺縁系 / 精神活動 |
Research Abstract |
青少年のメンタルヘルスに関わる諸問題は、青少年自身に問題を意識させ、解決する能力を付けさせることが対応策の一つと考えられる。大脳旁辺縁系は情動の座とされているが、我々は身体運動によって起こる大脳旁辺縁系の活性に注目している。これまでに、我々は世界に先駆け、ポジトロン断層法(PET)を用いて、全身運動時に大脳基底核(情動・記憶の中枢)の活動が亢進することを報告した。本研究では、随意運動がヒトの脳活動におよぼす影響を運動強度との関係から検討した。第1の実験として55%最大酸素摂取量強度(VO_<2max>)での自転車エルゴメータ運動時と安静時の脳活動を比較観察した。続いて、異なる3種類の運動強度(30%、55%、および75%VO_<2max>)における運動中の脳活動を比較観察した。実験1の被験者は健康な男子10名であった(22.0±2.0歳)。実験1において、運動時には安静時に比較して、大脳皮質運動野、補足運動野、小脳、大脳基底核に有意な脳活動の上昇(P<0.001)が認められた。実験室内での単純な自転車運動時に記憶や動機付け、情動に深く関与する大脳基底核に活性が認められたことは興味深い。実験2の被験者は健康な男子7名(22.9±1.6歳)であった。30%と55%VO_<2max>運動時を比較すると、視床のみに有意な活性が認められた(p<0.001)。30%と75%VO_<2max>運動時を比較すると前・後帯状回、線条体に有意な活性が認められた(p<0.001)。この結果は、運動強度の上昇にともない活性化する大脳辺縁系内の脳領域が増加することを示唆している。身体運動は大脳基底核の働きによって調節されており、大脳基底核は情動、記憶にも重要な働きをしている。本研究の結果より、身体運動が精神活動に影響をおよぼす可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Fujimoto, T., Kemppainen, J., Kalliokoski, K.K., Nuutila, P., Ito, M.: "Skeletal muscle glucose uptake response to exercise in trained and untrained men."Med.Sci.Sports Exerc.. 35. 777-783 (2003)
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[Publications] Oi, N., Iwaya, T., Itoh, M., Yamaguchi, K., Tobimatsu, Y., Fujimoto, T.: "FDG-PET imaging of lower extremity muscular activity during level walking."J.Orthop.Sci.. 8. 55-61 (2003)
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[Publications] Nishizawa, T., Tamaki, H., Kasuga, N., Takekura, H.: "Degeneration and regeneration of neuromuscular junction achitectures in rat skeletal muscle fibres damaged by bupivacaine hydrochloride."J.Muscle Res.Cell Motility. 24. 527-537 (2003)
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[Publications] Miyachi, M., Donato, A.J., Yamamoto, K., Takahashi, K., Gates, P.E., Moreau, K.L., Tanaka, H.: "Greater age-related reductions in central arterial compliance inresistance-trained men."Hypertension. 41. 130-135 (2003)
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[Publications] 高橋康輝, 宮地元彦, 藤本広平, 高本健彦, 山崎健, 松枝秀二, 山元健太, 柚木脩: "最大酸素摂取量と左心室および大動脈形態との関係"体育学研究. 48. 691-703 (2003)
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[Publications] Sugawara, J., Tanabe, T, Miyachi, M., Yamamoto, K., Takahashi, K., Iemitsu, M., Otsuki, T., Homma, S., Maeda, S., Ajisaka, R., Matsuda M.: "Non-invasive assessment of cardiac output during exercise in healthy young humans : comparison between model flow method and doppler echocardiography method."Acta Physiol.Scand.. 179. 361-366 (2003)