2002 Fiscal Year Annual Research Report
新規テクスチャーモディファイヤー創出のための多糖類ゲルの体系的研究
Project/Area Number |
14208011
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
西成 勝好 大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 教授 (10254426)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窪田 健二 群馬大学, 工学部・生物化学工学科, 教授 (40153332)
小川 悦代 昭和学院短期大学, 教授 (70086370)
新井 映子 静岡大学, 教育学部, 教授 (90134783)
中村 邦男 酪農学園大学, 食品科学科, 教授 (80000826)
中沢 文子 共立女子大学, 家政学部, 教授 (60086725)
|
Keywords | ジェランガム / ゲル / 力学物性 / 構造観察 |
Research Abstract |
食べること、食べ物とレオロジーの関係について考察した。Na型脱アシル型ジェランガムの調製法について検討し、本年度は約170gを調製した。さらに、種々の金属塩を添加したジェランガム希薄溶液をマイカシート表面に展開して作成し、試料の原子間力顕微鏡観察法を確立し、添加塩の種類に依存したジェランガムの凝集構造を定量的に評価することが可能となった。また、塩化カルシウム添加ジェランガム微小粒ゲルは、ジェランガム単独マトリックスゲルに混合すると活性充填材として作用し、塩化カルシウム添加ジェランガムゲルに混合すると不活性充填材として作用することが判明した。 0.7〜2%のジェランゲルを食べるときの口蓋圧を口腔内で測定した。0.7〜1.5%のゲルは、舌を硬口蓋に押し付けてつぶして咀嚼するが、2%ゲルでは、噛んで食べることが示された。口腔内の粘着感ともろく崩れる特徴が得られた。ビデオフルオログラフィー用ジュランゲルの製法を確立するため,硫酸バリウム添加ゲルを調製し,力学物性を測定した。添加ゲルは、かたさと付着性が無添加ゲルより著しく低下したため、ゲル強度を高めるための工夫の必要性が明らかとなった。アガロースゲルについて、弾性・強度へ及ぼす濃度、糖添加の影響及び共焦点顕鏡法を用いてゲル破壊時の形態について調べた。ジェランゲル、こんにゃくゲルの破壊挙動を比較検討した。ゲルにおいては大変形における破壊と離水とが密接に関係することを見出した。 血液凝固における作用機序とゲルネットワーク構造との関係、ならびに、ゲル形成能と添加物効果の関係を明らかにしていくことを目的に、フィブリノーゲンのゲル化過程を散乱法、直接観察法を用い、そのゲル化に対する種々の糖(シクロデキストリンなど)の添加効果を検討した。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] 西成勝好: "食とレオロジー"日本レオロジー学会誌. 31(1). 41-50 (2003)
-
[Publications] E.Ogawa, H.Matuzawa, M.Iwahashi: "Conformational transition of polysaccharide gellan gum of sodium, lithium, and potassium types in aqueous solutions"Food Hydrocolloids. 16. 1-9 (2002)
-
[Publications] H.Moritaka, S.Kimura, H.Fukuba: "Rheological properties of matrix-particle gellan gum gel with or without calcium chloride containing particle gellan gum gels"Food Hydrocolloids. (印刷中).
-
[Publications] 盛田明子, 中沢文子: "ゼラチン・寒天・カラギーナンゼリーの口蓋圧と筋電位の同時計測"日本家政学会誌. 53巻, 1号. 7-14 (2002)
-
[Publications] 盛田明子, 中沢文子: "ゼラチン・寒天・カラギーナンゼリーの人の口蓋圧計測と機器測定による特性の比較"日本家政学会誌. 53巻, 5号. 423-429 (2002)
-
[Publications] 西成勝好: "『新世紀の食品加工技術』第1章 食品物性計測技術"藤田哲、小林登史夫、亀和田光男監修、シーエムシー出版. 9 (2002)
-
[Publications] 中沢文子: "『老化抑制と食品』第4章3節 咀嚼活動の多元計測による口腔内食品物性の解明"食品総合研究所編集, アイシーピー出版. 14 (2002)