Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 迅 宮崎大学, 教育文化学部, 教授 (90237470)
稲垣 成哲 神戸大学, 発達科学部, 助教授 (70176387)
村山 功 静岡大学, 教育学部, 助教授 (40210067)
加藤 浩 メディア教育開発センター, 助教授 (80332146)
山口 悦司 宮崎大学, 教育文化学部, 講師 (00324898)
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Research Abstract |
第一年度の目標は,国内における授業研究で利用したシステムを,興味を持った実践者に公開するためのデータベースの構築と,そのサイトの設置であった.それと同時に,他の国の研究者や教育実践者との間でも情報のやり取りを可能とするために,構築したデータベースの英語化を行うことであった. 第一の目的については,次のように達成された.まず,それまで協力校として参加していた神戸大学発達科学部附属住吉小学校において,科学教育のカリキュラムを考案し,実践を行った.選択した授業内容は「遺伝子組み替え食品」についてであり,総合的な学習の時間を利用して行われた.その際,知識構築活動としての科学的実践を実現するために,小学校5年生の教室の子どもたちは自らの疑問をもとに研究テーマを立て,それらを異なるグループの共同作業としてまとめていくような活動をデザインした.CSCLシステムは,異なるテーマの研究を展開するグループ間のコミュニケーションや,研究の展開にあわせた中間段階の知識の表象を共有する活動の促進のために用いられた. 授業の活動は全てビデオに録画され,利用された指導案についても全てデジタル化された.子どもの学習活動が記録されたデータベースとともに,授業の内容はプレゼンテーション・ソフトを用いて再構成化され,さらにそれを最新のCSCLシステムであるKnowledge Forum【○!R】上でVirtual Tourとして実現化した. また第二の目的については,このvirtual tourの内容をもとに,カナダ,トロントで開催されたワークショップで,実践者自らが登壇し,その研究成果を報告する機会を持つとともに,世界から集まった実践家との交流を深めた.プレゼンテーションのときのビデオと利用した内容は,そのまま英語化され,構築したVirtual Tourのサイトに英語版として付加した.現在そのサイトには,興味を持った者がライセンス・コードを付与されることで「reader only」のアクセス権で自らの登録し,サイトの内容を閲覧することができるようになっている. さらに,構築されたVirtual Tourのサイトは,教員養成系の教職必修プログラムの講義で教材として利用され,受講生が知識構築型の科学教育カリキュラムの実践を追体験しながら,その有用性を学んでいくカリキュラムの開発にも着手した.
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