2004 Fiscal Year Annual Research Report
組積造構造物の経済性を考慮した効果的耐震補強手法の開発
Project/Area Number |
14208043
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
目黒 公郎 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (40222343)
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Keywords | 組積造 / 地震被害 / 耐震補強 / 応用要素法 / AEM / 破壊実験 |
Research Abstract |
本研究では,組積造構造物に対する安価で効率的な耐震補強方法として,ポリエチレン製の荷造りひもで作成したメッシュで壁を挟みこむ手法を提案している.本年度は,震動台を用いたスケール供試体の破壊実験による耐震補強手法の強度実験を行った.用いた震動台は研究代表者の所属する東京大学生産技術研究所の地震工学研究グループが所有する電動式3時元6自由度震動台である.スケール供試体とは,用いる震動台の性能から,実物大の供試体では破壊現象を再現できないために,小型サイズのレンガやアドベ(日干しレンガ)を用いて作成した供試体であり,概ね1/4程度の縮小率のものとした. 破壊実験を行うにあたり,まずはレンガおよびアドベの材料特性の検証を行い,簡易な1階建て家屋を模擬した供試体を作成した.震動台の挙動を検証するためのキャリブレーションも繰り返し実施した.本研究で扱うような極端に弱い構造物の破壊挙動の比較実験を行うには,入力地震動の再現性が高いことが非常に重要であり,今年度は震動台自体の制御の検証実験にも力点を置いた.その後,耐震補強済みモデル家屋に対する破壊実験を行い,破壊挙動に関するデータを蓄積した.実験の様子はビデオに記録しており,今後,家屋の耐震化に対する啓蒙教材として広く世界で利用できるものと考える.また,破壊挙動を数値解析により再現するための組積造対応型応用要素法(AEM)の開発も合わせて進めた.
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