2003 Fiscal Year Annual Research Report
大都市圏におけるオキシダントの光化学的制御戦略に関する研究
Project/Area Number |
14208061
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
近藤 豊 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (20110752)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北 和之 茨城大学, 理学部, 助教授 (30221914)
小池 真 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (00225343)
梶井 克純 東京都立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40211156)
廣川 淳 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (20262115)
竹川 暢之 東京大学, 先端科学技術センター, 助教授 (00324369)
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Keywords | 大都市圏 / オゾン / 一酸化炭素 / Nox NOy / 硝酸 / 硝酸イオン / 分光光度放射計 / 3次元モデル |
Research Abstract |
都市大気中におけるオゾンの正味の生成速度を見積もるためにOH, HO_2, RO_2, NOおよび0(^1D)(紫外線強度)の濃度を精密に測定しなければならない。またNO_xの生成、消滅を決める上でPAN濃度の測定が不可欠である。そのために、これらの成分の同時測定と、それらの化学過程をモデル化するための準備を行った。 1)測定器類の整備:波長分解能の高い紫外分光光度放射計と、これまで用いてきたフィルター放射計との同時比較観測を11-2月に行った。O(^1D)を生成するオゾンの紫外部での光解離係数を高精度で測定することはこれまで困難であった。このspectro-radiometerは特に紫外部での迷光が少なく、この測定に適している。この方法により、極めて高精度のオゾンの紫外部での光解離係数の連続測定をおこなっている。 2)オゾンの光化学を支配する前駆気体(窒素酸化物、炭化水素類、CO)の総合観測を03年の4-5月、7-8月、10月、04年の1-2月に東京大学先端科学技術研究センター内で実施した。これらの観測では、NO_x, HNO_3、エアロゾル状のNO_3^-イオンの同時観測がおこなわれ、NO_xから硝酸への気相反応による変換過程についての詳しい情報が得られた。また硝酸からNO_3^-イオンヘの変換過程も詳細に調べられた。この変換には、温度、湿度が重要なパラメーターであることが確認できた。 3)3次元光化学輸送モデルの開発:オゾンを中心とした光化学過程を組み込んだボックスモデルの開発に着手した。海陸風循環による大気の流れを地上観測データと比較し、流れ場の計算の精度を確かめつつある。今後、化学反応を組み込んだモデルを構築し、測定された化学組成の時間・空間変動との詳しい比較を行う予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Takegawa, N., Y.Kondo, M.Koike, 他: "Removal of NOx and NOy in biomass burning plumes in the boundary layer over northern Australia"Journal of Geophysical Research. 108. doi:10.10292002JD002505 (2003)
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[Publications] Takegawa, N., Y.Kondo, M.Koike, 他: "Photochemical production of O_3 in biomass burning plumes in the boundary layer over northern Australia"Geophysical Research Letters. 30. doi:10.10292003GL017017 (2003)
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[Publications] Miyazaki, Y., Y.Kondo, K.Kita, 他: "Synoptic-scale transport of reactive nitrogen over the western Pacific in spring"Journal of Geophysical Research. 108(D20). 8788 (2003)
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[Publications] Koike, M., Y.Kondo, K.Kita, 他: "Export of anthropogenic reactive nitrogen and sulfur compounds from the East Asia region in spring"Journal of Geophysical Research. 108(D20). 8789 (2003)
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[Publications] Kondo, Y., N.Takegawa, Y.Miyazaki, 他: "Effects of Biomass Burning and Lightning on Atmospheric Chemistry over Australia and Southeast Asia"International Journal of Wildland Fire. 12,271-281 (2003)
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[Publications] Nakamura, K., Y.Kondo, G.Chen, 他: "Measurement of NO2 by photolysis conversion technique during TRACE-P"J.Geophys.Res. 108(D24). 4752 (2003)