2005 Fiscal Year Annual Research Report
セリンースレオニンキナーゼ型レセプターの細胞生物学的作用の研究
Project/Area Number |
14208087
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮園 浩平 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90209908)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮澤 恵二 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (40209896)
|
Keywords | TGF-β / 血管新生 / ES細胞 / BMP / 骨芽細胞 / シグナル伝達 / 受容体 / 細胞分化 |
Research Abstract |
1)BMPは血管の恒常性維持に重要な役割を果たしている。我々はヒト微小血管内皮細胞(HMEC)とES細胞由来血管内皮細胞に対してBMP-4がその増殖を強く促進し、アポトーシスを抑制することを明らかにした。BMP-4の標的遺伝子を解析した結果、BMP-4はId-1やVEGFR2、Tie-2の発現を亢進させ、さらにこれらの受容体のリン酸化を促進することが明らかとなり、BMP-4による血管内皮細胞増殖促進作用はVEGF-A/VEGFR2とAngiopoietin-1/Tie-2シグナル伝達系を介していることが示唆された。 2)BMP-4による骨芽細胞の分化の過程ではC/EBPファミリーの転写因子であるC/EBP-βとCHOPが誘導される。我々はC/EBP-βが骨芽細胞の分化を促進するのに対し、CHOPはC/EBP-βとホモダイマーを形成しC/EBP-βの作用を抑制することを明らかにした。 3)C2C12細胞を用いた骨分化モデル系において、BMP6はBMP2よりも低濃度で骨分化を誘導する。これらの現象への抑制型Smad6の関与を調べた結果、BMP2刺激に比してBMP6刺激のシグナルに対して弱いことが明らかとなった。C2C12細胞に発現している2種類のBMP I型レセプターのうち、BMP2はALK3に結合し、BMP6はALK2に結合する。恒常活性型ALKを用いたBMP反応性レポーターアッセイにおいて、Smad6の抑制効果はALK3に選択的であった。さらに、ALK2とSmad6の結合はALK3とSmad6の結合と比べて顕著に弱いことが分かった。Smad6はBMPシグナルを全般的に抑制すると考えられていたが、本研究でSmad6の抑制効果はALK3に対してより選択的であることが明らかとなった。
|