2004 Fiscal Year Annual Research Report
農業生態系から流入する生物元素が沿岸生態系に与える影響
Project/Area Number |
14209002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
向井 宏 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 教授 (00013590)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸 道郎 北海道大学, 大学院・水産科学研究科, 教授 (90214767)
波多野 隆介 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 教授 (40156344)
飯泉 仁 独立行政法人水産総合研究センター, 日本海区水産研究所, 部長
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Keywords | 栄養塩 / 流域生態系 / 河川生態系 / アマモ / 付着藻類 / カキ・アサリ / 生態系モデル / 再生産 |
Research Abstract |
別寒辺牛川の各小河川において、水質分析を続行した。また、土地利用と河川水の窒素濃度の関係の解析を冗長性分析によって行った。河川周辺の湿地帯と河川との水のやりとりおよび湿地帯からの窒素の流出状況を確認するために、河川周辺の湿地に2地点永久コアを設定して水位および水質・土壌の脱窒能のモニタリングを行った。その結果、別寒辺牛湿原では海水の潮位にその水位が影響されており、河川への窒素の流入にも大きく影響することがわかった。河川からの流入物質が河口域の厚岸湖に到達するまでに経過する生物過程を知るために、河川内の水草の繁茂する場所において、流れ法および水草の生長からの取り込み量推定に基づき、河川における無機窒素の動態を調べた。その結果から、河川内における水草による無機窒素の取り込みは、密度および流速に大きく左右されること、水草のみならず水辺に生えているヨシなどのてい水植物の果たす役割が大きいことがわかった。河口域の厚岸湖では、カキ・アサリの餌となる微粒子の追及を行った。とくに、バクテリアの湖内での分布と、カキ・アサリの消化管内の観察を季節ごとに行った。その結果、湖内の粒子状有機物の分解過程にバクテリアが一定の役割をしていることが確認されたが、カキ・アサリの餌としては直接バクテリアが食べられてはいないことがわかった。アサリと厚岸湖の粒状有機物について、安定同位体(窒素と炭素)を測定し、既知の知識を総合して、アサリの餌が底生珪藻と陸上由来の有機残渣を同じくらいの比率で取り込んでいるらしいことが推定された。流速の測定を各季節に行い、POMの動態を明らかにするようなシミュレーションモデルを作成した。
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Research Products
(7 results)