2004 Fiscal Year Annual Research Report
原子分子間結合の分解による体積膨張を拘束する超高圧発生装置の開発
Project/Area Number |
14209014
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
川島 康 東海大学, 工学部, 教授 (80169721)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神本 武征 東海大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (00016429)
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Keywords | 超高圧 / テラパスカル / 圧力測定 / X線回折 / パルスX線発生 / ルビー蛍光 |
Research Abstract |
光透過性の物体によって拘束された物体の一部にパルスレーザーを照射し、その原子間結合を分解させて膨張させ、その体積膨張を拘束することにより得られる超高圧力を測定する方法の開発を進めた。拘束用アンビルとしてサファイアアンビルを用いる高圧実験において、ルビー蛍光およびダイヤモンドの反射率の測定から本方法によるテラパスカルの超高圧発生の可能性が示されたが、テラパスカル域の圧力の決定にはX線解折による圧縮率の測定を必要とする。本方法による圧力維持時間は従来の動的方法と比較して桁違いに長い。しかし、短時間でX線回折データを得る必要があり、高強度パルスX線を用いるX線回折装置の開発が不可欠となる。本年度において、市販のパルスX線発生装置とイメージングプレートからなるX線回折装置を用いて、パルスX線によりX線回折データが得られるように改良を加えて、最適の陽極形状、陰極の形状と材質、および配置が検討された。その結果、当初予定していた発散するX線を平行ビームにするX線レンズを使用することなく、イメージングプレートにおいて粉末試料からのX線回折像を得ることが可能になった。これより、パルスX線回折によるテラパスカル域の超高圧発生の探求が可能となった。また、ルビー蛍光線測定についてさらに検討を進め、1.ルビー蛍光スペクトルにおいて超高圧発生後残留するR_1線による微弱なピークはルビー層において膨張力による圧力がほとんど掛からなかったルビーからのものであり、このピーク位置からR_1線の温度依存性を利用してルビー層の温度が推定できること、および2.サファイア窓を通した100GPaを超える高圧下でのルビー蛍光現象の観察から、^2E→^4A_2遷移によるR線だけでなく、^4T_2→^4A_2遷移による蛍光が圧力により誘起されることがわかった。
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Research Products
(2 results)