2005 Fiscal Year Annual Research Report
歴史建造物における文化財の保存展示空間の再開発を目的とした理論の構築に関する研究
Project/Area Number |
14209021
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Research Institution | Independent Administrative Institution National Museum Tokyo National Museum |
Principal Investigator |
和田 浩 独立行政法人国立博物館東京国立博物館, 文化財部, 研究員 (60332136)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神庭 信幸 独立行政法人国立博物館東京国立博物館, 文化財部, 保存修復課長 (50169801)
松本 伸之 独立行政法人国立博物館東京国立博物館, 事業部・事業企画課長 (30229562)
井上 洋一 独立行政法人国立博物館東京国立博物館, 事業部・教育普及課長 (60176451)
土屋 裕子 独立行政法人国立博物館東京国立博物館, 文化財部, 研究員 (60321551)
澤田 むつ代 独立行政法人国立博物館東京国立博物館, 文化財部, 上席研究員 (40215918)
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Keywords | 活用 / 博物館 / 建築 / 保存 / 公開 / 文化財 / 環境 |
Research Abstract |
海外の美術館・博物館における現地調査を、オーストリア、イギリス、フランス、ロシア、中国、韓国等において重点的に実施し、建築構造、組織内容、再開発実績に関する聞き取り調査と関連資料の収集を行った。特に、中国・上海に点在する多くの近代建築群を昨年度の成果の一つでもある、デザインサーベーイシートを活用して調査を行い、成果をまとめることができた。 平成14年度から実施している美術館・博物館施設の環境・防犯対策に関するアンケート調査の回答を集計した。358件の有効回答中、歴史的建造物を利用した施設は118件であった。それらの施設に対してさらに焦点を絞り、歴史的建造物を実際に運用する上での諸問題について成果報告書により報告することができた。建物特有の環境特性から生じる問題はその中でも特に重要なものであり、それらをコントロールしつつ、作品を安全に保存する手法として、博物館環境のリスクアセスメントという概念を新たに導入するに至った。リスクアセスメントについての成果は、MUSEUM(600号)において公表した。また、昨年度の台湾日拠建築調査による研究成果は、文化財保存修復学会(第27回大会)において、ポスターセッション形式により公表した。 また、国内の近代建築についても可能な限り資料収集を行い、登録文化財のうち、重文指定を受けている近代建築の総リストを作成した(249件)。当初の利用状況と現状との比較にも着目し、国内における重要な近代建築のコンバージョンに関しての調査を進行させた。コンバージョンやリニューアル、リノベーションといった活用に関連するキーワードを基に、1970年代から現在までの間、国内で発表された文献類を収集し、文献データベースを作成した。約1000件の文献を収集することができ、近代建築の活用に関する基礎的な情報をほぼ網羅することができた。
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Research Products
(5 results)