2004 Fiscal Year Annual Research Report
チュルク系諸言語における接触と変容のメカニズムに関する調査研究
Project/Area Number |
14251019
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
林 徹 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (20173015)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庄垣内 正弘 京都大学, 大学院・文学研究科, 教授 (60025088)
藤代 節 神戸市看護大学, 看護学部, 助教授 (30249940)
久保 智之 九州大学, 大学院・人文科学研究院, 助教授 (30214993)
栗林 裕 岡山大学, 文学部, 助教授 (30243447)
菅原 睦 東京外国語大学, 外国語学部, 助教授 (50272612)
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Keywords | 言語接触 / チュルク系諸言語 / ユーラシア / 言語使用 / 言語変化 / フィールドワーク |
Research Abstract |
本年度は、これまでの現地調査・文献調査を継続しつつ、最終年度としての成果の取りまとめを行った。具体的な実績は以下のとおり。 1.言語接触に焦点を置いたチュルク諸語の現地調査:中国新彊でシベ語とウイグル語の調査を行い、従来指摘されていないウイグル語の異化現象を明らかにした。甘粛省ではサリグ・ヨグル語のモーダル表現についてデータを集めた。シベリアではヤクート語の音韻や名詞形態論について調査した。カザフスタンでは複雑なカザフ語の指示詞が距離と談話構造により分類できることを示した。ウズベキスタンでは、中国に近い地域で話されるウズベク語コーカンド方言ウイグル語との類似特徴を見い出した。イランではカシュカイ語統語法へのペルシア語の影響を明らかにした。トルコでは、クルムタタール語がトルコ語の影響で獲得した新たな音素体系、および、イスタンブルに残るユダヤ・スペイン語(ラディノ語)の特徴を明らかにした。また、日本在住の話者の協力を得て、キルギス語、ウイグル語の調査も行った。 2.言語接触と言語変化の研究:チュルク語において言語接触によりどのような言語変化が生じたかを明らかにするために、古代ウイグル語、チャガタイ語、新ウイグル語という、それぞれ古代、中期、近世期に属する資料について、文献学的な研究を行った。 3.国際シンポジウムの開催:11月26日〜27日、東京大学山上会館に、世界のチュルク諸語研究をリードする、L.Johanson (Mainz Univ.),E.A.Csato (Uppsala Univ.),B.Brendemoen (Oslo Univ.),S.Ozsoy (Bosphoros Univ.)を招き、本研究課題のメンバーと合同の会議を開催した。13件の発表が行われた後、本研究課題のレビューが行われ、非常に高い評価を受けることができた。
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Research Products
(7 results)