2004 Fiscal Year Annual Research Report
オホーツクおよびアムールプレート境界域の地震テクトニクスの調査研究
Project/Area Number |
14253002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
笠原 稔 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40001846)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮町 宏樹 鹿児島大学, 理学部, 教授 (30182041)
日置 幸介 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30280564)
中川 光弘 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50217684)
勝俣 啓 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10261281)
高橋 浩晃 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30301930)
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Keywords | オホーツクプレート / アムールプレート / プレート境界 / テクトニクス / 地震活動 / GPS / カムチャッカ / シホテアリン断層 |
Research Abstract |
カムチャッカ半島でのGPS連続観測は継続され、3年間のデータが蓄積された。解析の結果、ベーリング島は明らかに太平洋プレートの変動ベクトルと方向も大きさもほぼ一致する。すなわち、前弧側は明らかに太平洋プレートに属しており、背弧側にある断層システムがベーリングプレートとの境界になっている可能性が明らかになってきた。また、半島の北部はやや東向きの変動ベクトルを示すが、南部の変動ベクトルは、海溝に近い観測点では大きな北西向きの変動を示しており、その大きさは東から西にかけて小さくなり、海溝部分でのプレート間カップリングで説明できる。南部北部の反対向きの変動パターンからブロック境界をクリウチェフスカヤ火山群の南にその境界が通ると推定される。ロシア極東地域での観測は、沿海州では、7点の観測点が設置されている。1点が連続観測され、残りの点は、3台の受信機での3-4ヶ月間隔での繰り返し観測が実施された。ここでは、シホテアリン断層を挟んだ観測網になっており、解析結果からは、わずかな右横ずれ成分が認められた。全体としては、この地域はアムールプレートの変動ベクトルを示している。サハリンでは、1点の連続観測と南部での稠密観測網の繰り返し観測を行った。サハリン北部のオハ観測点は、これまで同様アムールプレートの変動ベクトルを示している。南部の東西横断観測網の結果では、中央部のユジノサハリンスク(ほぼサハリン中央断層の真上)を固定すると西側のブロックは東向き、東側のブロックは西向きの変位ベクトルを示し、明らかにアムールプレートとオホーツクプレートの境界が陸域にあることを示している。このことは、南部での臨時微小地震観測結果からも支持され、南北に並ぶ地震活動帯が収束境界の西側に認められる。サハリン北部での臨時観測によると、活動度は南部よりかなり低く、今回までの結果から明瞭な地震帯を認めるまでには至っていない。
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Research Products
(3 results)