2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14255006
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Research Institution | National Museum of Nature and Science, Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 雅啓 独立行政法人国立科学博物館, 植物研究部, 部長 (20093221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 博 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40089892)
秋山 弘之 兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 助教授 (70211696)
遊川 知久 筑波実験植物園, 主任研究官 (50280524)
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Keywords | 着生植物 / 進化 / 適応 / 分子系統 / シノブ科 / ウラボシ科 / ラン科 / カワゴケソウ科 |
Research Abstract |
1.タイで着生植物の進化について現地調査と標本調査を行った.国内の学会およびアイルランド.オーストリアで開かれた学会で成果を発表した. 2.これまで着生植物とされてきた種類が,真正着生植物.二次的半着生.つる植物に区別されることを確かめた. 2.シノブ科と近縁シダについてrbcL. accD遺伝子の分子系統解析を行い,シノブ科はウラボシ科と単系統をなし,さらにその基部に半着生植物が姉妹群となった.これより,着生植物の両科は地生植物からつる植物.二次的半着生植物を経て進化したとする説を提唱した. 3.シノブ科内の系統関係を解析し、従来の形態に基づく分類体系と比較した。 4.シノブ科などの鱗片を形態比較し.着生性と有柄で盾状の鱗片構造に強い相関があることを確かめた.進化した種では,根茎を密に被う盾状鱗片は防乾の他、鱗片間のすき間に保水する能力があり,さらに柄が根茎に陥没した隙間も保水に役立ち.着生生活への適応形態であるという説を展開した. 5.ラン科の着生種および近縁な地上種について系統解析.形質比較を行い.着生種が地上種から進化し.それに伴い種子の大型化.強光発芽能などを獲得したことが推定された. 6.岩上着生植物であり水生植物でもあるカワゴケソウ科の系統分類学.生物地理学.進化形態学的研究を行った.その結果.茎頂分裂組織の扁平特殊化によるシュートの葉状化.茎頂分裂組織の消失による茎の退化と特異な葉形成.幼芽.幼根の消失による垂直基軸の消失とそれに変わる不定根形成による水平基軸の獲得を伴ったボディプランの変更.など特殊環境への適応進化を明らかにした.
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Research Products
(6 results)