Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植村 和彦 国立科学博物館, 地学研究部, 室長(研究職) (50000138)
朝川 毅守 千葉大学, 理学部, 助手 (50213682)
奥田 昌明 千葉県立中央博物館, 生態環鏡研究部, 研究員 (10311383)
山田 敏弘 国立科学博物館, 地学研究部, 研究官 (70392537)
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Research Abstract |
本年度は海外調査を行わず,前年度までの3年間に収集した化石及び花粉資料の研究を行った。なお,本研究には,福井県立恐竜博物館の寺田和雄,矢部敦が研究協力者として参加した。また,平成17年6月に,海外共同研究者であるチリ大学Luis Felipe Hinojosaを招聘し,研究成果の交換と議論を行った。特に,暁新世のリゴリオマルケス層の化石群集について時代決定,種組成,葉相観解析による古気候推定において成果を得た。化石研究には時間を要するが,研究成果の概要や新知見は早期の発表も必要であるため,英文報告書を刊行することとし,9編の論文を含む英文報告書Post-Cretaceous Floristic Changes in Southern Patagonia, Chile(Nishida H.ed., Chuo University, Tokyo,114pp.)を刊行した。本研究では葉化石,材化石の新種も見つかっている。新分類群は学術誌に発表することが義務づけられているため,その他の研究成果等は,今後随時学術誌に発表される。Pigg and Nishida(2006,研究発表欄)は,ゴンドワナ大陸の植生変遷について西田が行ってきた一連の海外調査による関連成果のひとつである。本研究では,最終氷期以降の植生変遷を明らかにするために湿原のボーリング調査による花粉解析も行ってきた。現在資料は奥田及び,アルゼンチンの共同研究チームが解析を行っている。 後期白亜紀以降の南米南部における植生変遷は,現在の南米にみられる植生の成立過程に大きな影響を与えた。チリ南部はこれまで研究の空疎な地域であったが,本研究により知見は大きく深まった。また,研究成果の一部は,平成18年3月にフロリダ大学自然史博物館の主催で行われた研究集会において,西田が発表した。
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