2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14256004
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西渕 光昭 京都大学, 東南アジア研究センター, 教授 (50189304)
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Keywords | 新興感染症 / 腸炎ビブリオ / 世界的大流行 |
Research Abstract |
新型腸炎ビブリオの国際的伝播に関して、患者が多発したタイとベトナムで分離した菌株を解析した。タイ南部では、患者分離株の大部分が世界的流大流行をおこしている新型クローン(GS-PCR陽性、tdh遺伝子陽性)に属する株であり、その大部分はO3:K6血清型に属していたが、血清型が異なるタイプが派生しており、その中でO1:K25型が多かった。また、同地で市販の二枚貝から新型クローンに属する菌株を分離できたが、それらの血清型はほとんどがO3:K6であるが、O1:K2型も含まれていた。パルスフィールドゲル電気泳動法によるDNAファインガープリントの比較解析の結果、血清型にかかわらず、貝分離株と患者分離株のパターンが一致し、二枚貝中の菌株が現地で感染症の原因となっていることを指示する証拠が得られた。ベトナムでは、ナチャン市周辺の患者分離株の約半数が新型クローンに属しており、O3:K6血清型以外にO1:K25型などが順次出現したことが明らかになった。GS-PCR法で新型クローンに同定した菌株は、多数の血清型に属しているが、パルスフィールドゲル電気泳動法による比較解析結果からも、同一クローンに由来するという結論を得た。 新型コレラ菌の分子疫学的解析にmultilocus sequence typing (MLST)法を適用するために、有用な遺伝子を検査した。マレーシアの市販魚介類から分離した菌株や患者分離株などのctx遺伝子陽性菌株(O139、O1、およびRough血清型)15菌株を用いて、候補遺伝子の塩基配列を決定し、検索した。その結果、アラニンデヒドロゲナーゼなどの6種の遺伝子が適当であることが判明したので、79菌株について遺伝子配列の解析を開始した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Tuyet, D.T.et al.: "Clinical, epidemiologic, and socioeconomic analysis of an outbreak of Vibrio parahaemolyticus in Khanh Hoa province, Vietnam"J. Infect. Dis.. 186. 1615-1620 (2002)
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[Publications] Laohaprertthisan, V. et al.: "Prevalence and serodiversity of the pandemic clone among the clinical strains of Vibrio parahaemolyticus isolated in southern Thailand"Epidemiol. Infect.. 130. 1-12 (2003)