2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14310010
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
小林 正美 早稲田大学, 文学部, 教授 (80153641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二階堂 善弘 茨城大学, 人文学部, 助教授 (70292258)
吾妻 重二 関西大学, 文学部, 教授 (20192982)
森 由利亜 早稲田大学, 文学部, 助教授 (30247259)
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Keywords | 道教 / 斎法 / 天師道 / 霊宝斎 / 指教斎 / 金〓斎 / 黄〓斎 / 盟真斎 |
Research Abstract |
研究代表者は、中国中世に成立した斎法の儀礼の思想史的研究を行い、その研究成果を二つの学会で発表した、第一は六朝学術学会第七回大会(2003年11月2日)での研究発表(題目「道教の斎法の成立について--指教斎と金〓斎を中心に」、第二は日本道教学会第五十四回大会(2003年11月8日)での研究発表(題目「天師道の霊宝斎について」)である。後者の研究発表は論文(題目「霊宝斎法の成立と展開」)に作成され、日本道教学会の機関誌『東方宗教』103号に掲載される。 これらの研究成果により、道教の最も基本的な斎法である指教斎と金〓斎が劉宋の初めに形成され、その後、霊宝斎法が元嘉六、七年(429,430)頃に劉宋の天師道によって制作されたことが明らかになった。さらに、黄〓斎や金〓斎や盟真斎や三元斎等々の斎法が「霊宝斎」という總称のもとに、劉宋以後も南宋末期頃までは天師道において実施されていたことも解明された。「霊宝斎」が天師道で実施されているのは、この時期の道教教団が天師道の道士によって構成されていたからである。道教教団については昨年度の研究成果を織り込んだ著書『唐代の道教と天師道』(知泉書館、2004年4月)で詳しく述べられているが、今年度の研究により、道教儀礼と道教教団とが密接な関係にあることが明らかとなった。 また、道教の斎法の基本構造のかなりの部分が解明された。道教の斎法の成立と歴史的展開、及び斎法の基本構造が解明されたことは、今後、仏教や民間信仰の儀礼研究にも大きな影響を与えるものと思われる。 なお、文献に基づく斎法の思想史的研究と並行して、共同研究班は斎〓の道典のデータベース化を進め、現在、六朝から唐末までの電子テキストが完成し、早稲田大学道教研究所のホームページで公開されている。今後も、完成した電子テキストは順次、道教研究所のホームページを通じて公開してゆく。
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Research Products
(2 results)