2005 Fiscal Year Annual Research Report
舞台芸術の上演における「記録と記憶」をめぐる総合的研究-京都芸術劇場を拠点として
Project/Area Number |
14310028
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Research Institution | Kyoto University of Art and Design |
Principal Investigator |
太田 省吾 京都造形芸術大学, 芸術学部, 教授 (30268461)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芳賀 徹 京都造形芸術大学, 芸術学部, 教授 (10012303)
伊藤 高志 京都造形芸術大学, 芸術学部, 教授 (90411305)
八角 聡仁 京都造形芸術大学, 芸術学部, 教授 (10340530)
森山 直人 京都造形芸術大学, 芸術学部, 助教授 (20343668)
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Keywords | 舞台芸術 / 演劇 / 舞踊 / 映像記録 / 美術史 |
Research Abstract |
1 理論的視座の確立 最終年度の総括として、「記録」と「記憶」をキー・コンセプトとした過去三年間の研究成果を、現代における舞台芸術の理論的・創造的現場とのアクチュアルな関連性のなかで多角的に捉え直し再検証することに重点をおいた。学術フロンティア助成金を受けた研究プロジェクトと連携しつつ、太田、八角、森山が中心的に関わって実現した本学舞台芸術研究センター機関誌『舞台芸術』第9号における「特集:記録主義」(12月)は、学内外、海外の様々な研究者・芸術家の参加を得て、この問題領域を学術的に扱う際に考慮されるべき理論的枠組みや最新の実例等を網羅したわが国初の刊行物となった。 2 <編集>の視点による実践的成果 動画メディアにおける研究のまとめとして、2003年度に京都芸術劇場で行われた上演実験『魂戯れ』の記録映像を素材にし、「記録」と「記憶」の潜在的な相互作用を形象化した<特殊編集版>を、いわゆる「中立的・客観的」な編集版との比較において作成した。また、他の作品を素材にしながら、記録における画面分割やコマ割り(フレーム数/秒)の特殊な使用の可能性の探求や、「戯曲」という文字記録様式との比較検証なども行った。 3 研究成果の公開と今後の課題 「1」で述べた機関誌のほかに、2003年度に行った役者絵プロジェクトにおける研究成果をカタログとして冊子化した。また「2」で述べた『魂戯れ』の<特殊編集版>は、日本で開催される「国際ダンス映像祭2006」で一般公開される予定である。動画メディアや役者絵との比較において行ってきた舞台写真からのアプローチがやや遅れていること、<特殊編集>が開示している理論的地平のさらなる探求が今後の課題である。
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Research Products
(7 results)