2003 Fiscal Year Annual Research Report
マウス・ラットの活動性と情動性に関する生理薬理的・遺伝的機構
Project/Area Number |
14310038
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
牧野 順四郎 筑波大学, 心理学系, 教授 (60015443)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富原 一哉 鹿児島大学, 法文学部, 助教授 (00272146)
加藤 克紀 筑波大学, 心理学系, 講師 (50261764)
一谷 幸男 筑波大学, 心理学系, 助教授 (80176289)
和田 由美子 理化学研究所, ゲノム科学総合研究センター, 研究員 (70302362)
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Keywords | 選択系 / 近交系 / オープンフィールド行動 / マウス / ラット / 抗不安薬 / ドーパミン系 / 雌親行動 |
Research Abstract |
オープンフィールド活動性(以下OFA)について選択交配された高・低活動系マウス(以下H, L)とTsukuba高・低情動系ラット(以下THE, TLE)においていくつかの実験を行った. 暗条件下のOFBの系統比較 H, Lその基礎集団であるICR,5系統の近交系マウス(BALB, CBA, C3H, C57BL/6,DBA/2)のOFBを暗条件下(30lx)で比較した.LのOFBはHに近づき,両系の差が照明に対する感受性による可能性が示唆された.CBA,DBA,ICRでは明るさの影響がほとんどなかった. H, Lにおける暗条件OFBに対するdiazepamの効果 高照明下では惹起される不安が強すぎ,Lでは抗不安作用が検出されなかった可能生があった.そこで暗条件下でdiazepamの効果を調べたところ,Lでも抗不安作用が観察され,その至適用量は2mg/kg(i. p.)でHと同様にICRより10倍ほど高かった. H, LのOFBの長時間測定 測定時間を30分に延長し,明条件下でHとLを比較した.Lの雄では時間経過とともにHに近づく傾向を示したが.30分測定でも両系は異なるOFBを示した. H, Lの雌親行動 Lにおいてのみ仔数が養育中に滅少し,Hが授乳姿勢を,Lが接触休息,巣作り,毛づくろいをより多く示した.雌親行動と仔の生存率との関連が示唆された. H, LにおけるOFBに対するapomorphineeとmethamphetamineの作用 apomorphineは用量依存的に活動量を低下させ,methamphetamineは逆に増大させた.薬物と系統の交互作用はなく,ドーパミン系には系統差がない可能性が示峻された. THE, TLEの餌運搬行動 餌運搬行動は捕食危険に基づくと考えられているが,TLEの方が運搬率は高く,新奇恐怖と捕食危険は別の機構による可能性が示唆された.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 小貫泰広, 加藤克紀, 牧野順四郎, 中津山英子: "Tsukuba情動系ラットにおける餌運搬行動"動物心理学研究. 53. 71-77 (2003)
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[Publications] 高橋阿貴, 加藤克紀: "高・低活動系マウスの暗条件オープンフィールド行動におけるdiazepamの効果"日本神経精神薬理学雑誌. 23. 330 (2003)
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[Publications] 高橋阿貴, 牧野順四郎: "高・低活動系マウスの長侍間オープンフィールド行動"日本心理学会第67回大会発表論文集. 1037 (2003)
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[Publications] 高橋阿貴, 牧野順四郎: "高・低活動系マウスを中心とした暗条件オープンフィールド行動の系統比較"動物心理学研究. 53. 113 (2003)
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[Publications] 昌子浩孝, 加藤克紀: "高・低活動系マウスにおける雌親行動の系統比較"動物心理学研究. 53. 113 (2003)
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[Publications] 一谷幸男, 吉原亨, 林和子: "ラット・マウスの空間認知・空間記憶における脳内グルタミン酸受容体の役割"生理心理学と精神生理学. 21. 5-17 (2003)