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2004 Fiscal Year Annual Research Report

老化に伴う認知機能低下の特性の解明

Research Project

Project/Area Number 14310040
Research InstitutionNational Institute of Neuroscience, National Center of Neurology and Psychiatry

Principal Investigator

中村 克樹  国立精神・神経センター, モデル動物開発部, 部長 (70243110)

Keywordsサル / 老化 / 前頭連合野 / 計画立案
Research Abstract

高齢化社会になり、老化に伴う認知機能低下の特性や機序の解明が求められている。ヒトを研究対象とした場合、既往歴・薬物の服用・修学歴等が統制できず、結果の解釈が困難である。
そこで、本研究ではサルを対象とした。老化による認知機能低下のおもな原因は、前頭連合野の機能低下だと考えられる(老化の前頭連合野仮説)。例えば、誤った行動をなかなか修正できない傾向(保続)が老化に伴い顕著に表れ、認知機能低下の一因となっている(Nakamura,2001)。他にも、作業記憶機能の低下など「前頭連合野仮説」を指示する結果が報告されている。ここでは、前頭連合野機能の一つである計画を立てて物事を実行するという能力に着目し、老化による機能変化を検討した。計画を立てる(Planning)という能力は、ヒトにおいてもっとも発達・進化した能力である。用いた課題は、3x3に配列された9つの穴にあるエサをすべて取って食べるという単純なものである。穴の中が見えないようにフタが付いている。穴の数はサルの作業記憶容量を超えているため、効率良くエサを取るには、何らかの方略が必要となる。課題の成績を老齢群と弱齢群で比較すると、弱齢群の成績が有意に良かった。両群の行動を比較すると、弱齢群の多くの個体は、「はじめにある穴、次に上の穴、・・・」というように、穴の順番を決めている場合が多かった。老齢ザルではこの傾向は弱く、また個体ごとにばらつきが大きかった。老齢ザルの課題成績と穴の順番を決める傾向の間には、「順番を決める傾向が強いほど、成績が良い」という有意な相関が見られた。
これらの結果は、老化に伴い「次にどのような行動を行うか」という計画を立てる能力が低下すること、そのことが認知課題の成績低下の一因となっていることを示し「老化の前頭連合野仮説」を指示すると解釈できる。
この結果は、現在心理学の国際学術雑誌に投稿し、改訂中である。

URL: 

Published: 2006-07-12   Modified: 2016-04-21  

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