2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14310041
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Research Institution | Osaka University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
苧阪 満里子 大阪外国語大学, 外国語学部, 教授 (70144300)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
苧阪 直行 京都大学, 大学院・文学研究科, 教授 (20113136)
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Keywords | ワーキングメモリ / 中央実行系 / 神経基盤 / スパンテスト / 注意の焦点化 |
Research Abstract |
ワーキングメモリは、必要な情報を一時的に活性化状態で保持することにより、目標となる課題遂行を可能とするための機能である。なかでも、中央実行系(central executive)は、注意の制御系であり、課題の遂行を進めるための制御システムである。中央実行系は、言語の情報処理に必要な音韻ループなどのサブシステムの調整をおこない、課題遂行への重要な役割を受け持つところである。 本年度の研究では、中央実行系での注意の焦点化(focus of attention)と抑制制御(inhibition)について検討した。言語性ワーキングメモリが文の理解に影響をおよぼす知見は、すでに昨年度の研究から得られている。そこで、ワーキングメモリのスパン課題において、文理解の中心となるフォーカスがどのようにかかわるのかについて検討した。ここでは、fMRIの測定を重点におき、スパンタスク遂行中の注意の焦点化を制御する脳の神経基盤について明らかにすることを目的とした。 昨年度までの研究結果から、言語性ワーキングメモリ、とくに中央実行系の制御機構の神経基盤は、前頭領域、特に前頭前野と前部帯状回を中心とするネットワークに依存していることが解明された。前頭前野と前部帯状回の相互作用、つまり2つの領域が連携することにより、ワーキングメモリの効率性を高め、課題遂行を促進する知見も得られている。本年度の研究結果は、この結果を再検証した。さらに、注意の焦点化には、両領域の連携に加えて、頭頂連合野の活動が必要であることがわかった。この頭頂連合野の活動により、課題遂行の目標となるターゲットへ注意を向けること、さらに目標となるターゲットゲット以外の情報の適切な抑制が可能となることが示唆された。
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