2002 Fiscal Year Annual Research Report
分析的・包括的知覚の社会・文化的基盤:文化間と文化内の比較
Project/Area Number |
14310056
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
北山 忍 京都大学, 総合人間学部, 助教授 (20252398)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
唐澤 真弓 東京女子大学, 現代文化学部, 助教授 (60255940)
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Keywords | 認知 / 文化 / 杜会 / 分析的思考 / 包括的思考 |
Research Abstract |
北米と日本を比較した場合、背景情報の処理効率は日本で、また、焦点情報の処理効率ば北米でそれぞれ高いという仮説を検証するために、われわれが開発してきた線・枠課題と発話ストループ課題を用いた。2国の大学生を対象にまず、それぞれの課題を、コンピュータですべて統制された条件下で実施した。そのあと、個人志向性、対人志向性に関連する性格質問票を被験者に課した。さらに洋の東西の間の分散とそれぞれの文化圏内の変動の相対的大きさを分析し、洋の東西という区分けの妥当性を検討するとともに、さらに、それぞれの文化内での個人差が個人志向、対人志向といった性格要因によって説明できる程度もあわせて検討した。 加えて、本年度は、対象中心的図形と対象・背景融合的図形への好みも併せて検討した。つまり、上述の認知傾向が、様々な図形、風景、芸術作品などへの好みにも現れてくるかを調べた。特に、分析的傾向のもとでは、中心になる対象が明白に描かれている場合に、また、包括的傾向のもとでは、対象と背景が融合して描かれている場合にそれぞれ最も好まれるであろう。よって、1)東洋人は欧米人より、2)また、それぞれの文化内では、対人的志向性が強いものは個人的志向性が強いものより、さらに、3)ある特定の人物に限れば対人的場においては個人的場においてより、対象・背景融合鞄図形は、対象中心的図形に較べてより好まれるであろうと予測した。データは、仮説に整合的であった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kitayama, S., Ishii, K.: "Word and voice : Spontaneous attention to emotional utterances in two languages"Cognition and Emotion. 16. 29-60 (2002)
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[Publications] Ishii, K., Kitayama, S.: "Processing of emotional utterances : Is vocal tone really more significant than verbal content in Japanese?"Cognitive Studies. 9. 67-76 (2002)
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[Publications] Ishii, K., Reyes, J.A., Kitayama, S.: "Spontaneous attention to word content versus emotional tone : Differences among three cultures"Psychological Science. 14. 39-46 (2003)
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[Publications] Miyamoto, Y., Kitayama, S.: "Cultural variation in correspondence bias : The critical role of attitude diagnosticity"Journal of Personality and Social Psychology. 83. 1239-1248 (2002)
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[Publications] Masuda, T., Kitayama, S.: "Perceiver-induced constraint and attitude attribution in Japan and the US : A case for culture-dependence of correspondence bias"Journal of Experimental Social Psychology. (印刷中).
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[Publications] Kitayama, S., Duffy, S.: "In R.S.Steinberg (Ed.), Cultural competence"Cultural competence-Tacit, yet fundamental : Self, social relations, and cognition in the US and Japan(印刷中).