2004 Fiscal Year Annual Research Report
現代日本における社会階層の流動化と再編に関する総合的研究
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14310080
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
近藤 博之 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (60135647)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩井 八郎 京都大学, 教育学研究科, 教授 (80184852)
尾嶋 史章 同志社大学, 文学部, 教授 (30177224)
片瀬 一男 東北学院大学, 教養学部, 教授 (30161061)
鹿又 伸夫 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (30204598)
小林 久高 同志社大学, 文学部, 教授 (30215355)
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Keywords | 社会階層 / 社会移動 / SSM調査 / ライフヒストリー / ライフコース / 回顧的データ |
Research Abstract |
まず,昨年度に実施したLHC(Life History Calendar)調査について,職歴等のデータ・コーディング作業を完了させ,その情報を449人×45行×92列のデータ・シートにまとめた。このデータの特徴は,居住・教育・職業・家族等に関する個人の情報を一年単位の時間軸にそって系列的データ(sequential data)として整理し,ライフコース上の諸々の出来事を個人史及び社会史の全体的観点から俯瞰できるようにしたところにある。つぎに,このLHC調査データを用いて研究課題に関連するさまざまな検討を行った。1つは,世代ごとのライフコースの特徴を抽出し,社会階層の様態を明らかにすることである。それより,中高年者のライフコースが男女とも標準化されたパターンをもつこと,そこにおいて教育経験がライフコース全体を規定する中心要因となっていること,それと同時に資格取得や転職といった若年時の経験が中高年時の職業的地位に一定程度の影響力を持つこと,これに対して若年者ではライフコースの非標準化傾向が進んでいること,等が確認された。もう1つは方法的な検討であり,これは系列的データの収集法と系列的データの分析法の両面から行った。データ収集については,時間順序を意識させない調査方式と時間順序を意識させた調査方式での回答精度の違い,前者での回答内容と後者での回答内容の対応関係等をLHC調査と既存の階層調査の比較から検討した。データ分析については,LHC調査データに対して「決定木分析」「最適マッチング分析」「ラグ系列分析」等を当てはめ,それらの手法の階層研究への適合について検討した。 最終的に,これらの研究成果を,2005年SSM調査の実施を共通目的とする共同の研究会で報告するとともに,報告書冊子としてまとめた。
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Research Products
(3 results)