2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14310097
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
喜多 祐荘 東海大学, 健康科学部, 教授 (70153088)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 公治 北海道大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (60113669)
渡辺 俊之 東海大学, 医学部, 講師 (70240512)
谷口 幸一 東海大学, 健康科学部, 教授 (20141161)
水谷 俊夫 中部学院大学, 短期大学部, 教授 (20320971)
太田 貞司 北海道浅井学園大学, 人間福祉学部, 教授 (90223833)
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Keywords | 痴呆 / 記憶障碍 / 記憶障害 / 遺存記憶 / 遺存記憶年齢 / 記憶再生 / 回想 / 関係形成 |
Research Abstract |
初年度は、研究協力施設・グループホームにおける対象者の状況と対応の把握、研究協力施設・グループホームへの研究計画の説明・確認、研究協力職員め研究方法の説明・研修、および、対象者の生活史・社会関係と記憶機能障碍・遺存記憶機能の状況を把握した。 1 研究協力施設・グループホームにおける痴呆性高齢者の状況と対応について (1)研究協力施設・グループホームにおける痴呆性高齢者の状況 (1)施設における高齢者の痴呆症罹患率が高まっていることと、痴呆の進行の程度が重いこと。 (2)グループホームにおける痴呆性高齢者の割合は高いが、痴呆の進行の程度が軽いこと。 (2)研究協力施設・グループホームにおける痴呆性高齢者への対応 (1)施設は、痴呆性高齢者の居住形式の「ユニット」化により、入所者の遺存記憶機能と経験記憶内容を基に日常生活の支持的自立・役割関係形成・自己実現支援を志向している。 (2)グループホームは、入所者と家族と職員の交流を活性化しつつ、その遺存記憶機能と経験記憶内容を基に日常生活の支持的自立・役割関係形成・自己実現支援を実施している。 *このことをふまえて、施設では中度・重度・最重度の対象者に、また、グループホームでは境界・軽度・中度の対象者に、それぞれ、職員との共感支持的会話・同行を試みることにした。 2 研究協力施設・グループホームと研究協力職員への研究計画・方法の説明と研修について (1)研究協力施設・グループホームの責任者に研究計画と研究対象、職員の協力の理解を得た。 (2)研究協力職員に研究計画の説明と研究方法の研修、対象者・家族の同意確認の理解を得た。 (1)施設職頁には、ユニット内の対象者の遺存記憶機能・経験記憶内容の調査協力を依頼した。 (2)グループホーム職員には、全対象者の遺存記憶機能・経験記憶内容の調査協力を依頼した。 3 対象者の生活史・社会関係と記憶機能障碍・遺存記憶機能の状況の把握について (1)施設ユニット内の対象者の記憶機能障害の種類と遺存記憶年齢・経験記憶内容を事前調査した。 (2)グループホームの対象者の記憶機能障害の種類と遺存記憶年齢・経験記憶内容を事前調査した。 *施設ユニット内の対象者は老年性痴呆・脳血管性痴呆が多く、グループホームの対象者は老年性痴呆・境界例が多い。老年性痴呆に限ってみると、記憶喪失の進行に伴って、遺存記憶年齢がより若い年代に後退すること、および、経験記憶内容が鮮明に再生され持続することが確かめられた。
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