2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14310121
|
Research Institution | Aichigakuin University |
Principal Investigator |
新海 英行 愛知学院大学, 情報社会政策学部, 教授 (00036055)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 弘之 名古屋大学, 大学院・教育発達科学研究科, 助手
山崎 由可里 和歌山大学, 教育学部, 助教授 (60322210)
高橋 正教 中京女子大学, 人文学部, 助教授 (40171524)
|
Keywords | 戦間期 / 文部省 / 社会教育行政思想 / 内務省 / 乘杉嘉寿 / 川本宇之介 / 小尾範治 / 関屋龍吉 |
Research Abstract |
戦後社会教育行政の原形としての戦間期(とくに1920年代以降30年代末の)社会教育行政思想が内務省社会行政(政策)から分岐・独立しつつ形成された経緯とその特質の解明を試みた。とりわけ文部省普通学務局第四課(1919年新設、24年に社会教育課に改称)の主要な職員(乘杉嘉寿、川本宇之介、片岡重助、小尾範治、関屋龍吉等)の社会教育論に焦点をあて、「教治主義」、「自学自習」、「教育の社会化、社会の教育化」、「教育的デモクラシー」といった教育観に象徴される社会教育行政思想に注目した。上述の社会教育論をこの時代の社会的思潮との関連で分析した結果、こうした社会教育行政思想には大正デモクラシーを背景に新教育運動の影響のもとで教育の自由と自律性、教育の機会均等、及び教育行政の独立性を基底にすえるすぐれて近代的な教育価値が伏在していた(乘杉、片岡、川本)と同時に、他方では国民の国家的体制内化を企図し、教育の政治・行政への従属と国民教化への志向性(小尾、関屋)をも内包していたことを解明した。このような相互に背反する価値や理論を有する戦間期社会教育行政思想の矛盾的特質は第二次大戦後の社会教育行政に継承されたと仮説的提起を行い、この点の実証研究は今後の課題とした。
|
Research Products
(8 results)
-
[Publications] 山崎由可里: "戦前期日本の精神病学領域における教育病理学・治療教育学の研究"和歌山大学教育学部紀要(教育科学). 54集. 12-18 (2004)
-
[Publications] 新海英行: "生涯学習概説"勉誠社. 198 (2003)
-
[Publications] 新海英行: "愛知県教育史(資料編・現代3)"愛知県教育委員会. 807 (2004)
-
[Publications] 新海英行: "愛知県教育史(現代・通史編)"愛知県教育委員会(未定). (2004)
-
[Publications] 新海英行: "岐阜県教育史(現代2)"岐阜県教育委員会. 890 (2004)
-
[Publications] 新海英行: "岐阜県教育史(現代3)"岐阜県教育委員会. 780 (2004)
-
[Publications] 中山弘之: "岐阜県教育史(現代2)"岐阜県教育委員会. 890 (2004)
-
[Publications] 中山弘之: "岐阜県教育史(現代3)"岐阜県教育委員会. 780 (2004)