2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14310140
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Research Institution | National Institute For Educational Policy Research |
Principal Investigator |
笹井 宏益 国立教育政策研究所, 生涯学習政策研究部, 総括研究官 (10271701)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 礼子 同志社大学, 文学部, 教授 (90288986)
村田 治 関西学院大学, 経済学部, 教授 (30182124)
加藤 かおり 新潟大学, 大学教育開発研究センター, 助教授 (80323997)
出相 泰裕 大阪教育大学, 教育学部・教養学科, 講師 (90287938)
山根 節 慶應義塾大学, 大学院・経営管理研究科, 教授 (90265934)
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Keywords | プロフェッショナル学位 / 社会人再教育 / 職業人 / リカレント教育 / 専門職大学院 / 高等教育改革 / ビジネススクール / MBA |
Research Abstract |
本研究は、我が国におけるプロフェッショナル学位の典型であるMBAが、現代の日本社会においてどのような機能を果たしているのかについて、MBA取得者の動向や各企業の評価に着目して、明らかにしようとするものである。 具体的には、ビジネススクールに社員を派遣している企業(10社)に対して、(1)MBAの価値をどのよう考えるか、(2)社員にMBAを取得させることは企業の活動にとって意義があるのか、(3)MBA取得者をどのように活用するつもりか、についてインタビューを行った。その結果、日本企業の一般的な傾向として、MBA取得者に即戦力としてのマネジメント能力を期待しているわけではなく、中長期的に社員の資質を向上させる一つの「研修機会」と捉えていることがわかった。 また、これまでに日本のビジネススクールを修了しMBAを取得した人たち(約3000名)に対して、(1)ビジネススクールへの入学理由、(2)ビジネススクールでの学習で身に付いた能力、(3)ビジネススクール在籍時における会社等との関係、(4)MBA取得に伴う処遇上の効果、(5)MBAに対する自己評価、(6)ビジネススクールでの経験で良かった点・悪かった点、(7)回答者のプロフィール、などについてアンケート調査を実施した。その結果、修了生自身が、MBAの現在そして将来にそれほど大きな期待を抱いているわけではないこと、ビジネススクールでの学習それ自体は役に立つものであり、とりわけ学校という場での様々な人との出会い(人脈づくり)が大きな財産になっていること、などが明らかになった。 これらの研究活動に加えて、韓国、オーストラリア、マレーシアなどに実地調査を行い、こうした国々におけるプロフェッショナル学位の内容や機能を把握するとともに、経済評論家の吉冨勝氏、大阪ガス(株)の松本毅氏など有識者を招いて意見交換を行い、我が国におけるプロフェッショナル学位の将来像について考察した。
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