2002 Fiscal Year Annual Research Report
初期コミンテルンと東アジアに関する歴史文献学的研究
Project/Area Number |
14310170
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石川 禎浩 京都大学, 人文科学研究所, 助教授 (10222978)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江田 憲治 日本大学, 文理学部, 教授 (80176768)
山内 昭人 九州大学, 大学院・人文科学研究院, 教授 (00124850)
水野 直樹 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (40181903)
劉 孝鐘 和光大学, 人間関係学部, 教授 (80230605)
寺山 恭輔 東北大学, 東北アジア研究センター, 助教授 (00284563)
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Keywords | コミンテルン / 国際共産主義運動 / 東アジア / 社会主義 / 共産主義 |
Research Abstract |
本年度の研究計画の眼目として設定した関連資料、文献、書籍の収集・補充のうち、『コミンテルン世界大会文書集』(Comintern Archive)に関しては、これを補充することができた。他方、『コミンテルン文書日本共産党ファイル』と『コミンテルン文書中国共産党ファイル』については、ロシア公文書館と発行元のIDC社の作業の遅れから販売時期がずれ込み、入手することができなかった。ただし、その不足を補うべく、9月に研究分担者の山内、寺山の両名をモスクワの公文書館に派遣し、その調査と収集を行うことができた。資料の収集にあたっては、事前(8月3,4日)に資料選定にかんするミーティングを京都で行い、充分な準備をすることができた。両名が持ち帰った資料に関しては、11月30日、12月1日の両日に九州大学で輪読、分析のためのミーティングを行い、そのさいに今後の資料補充の見通しにかんして意見交換を行う一方、これまでの収集資料から判明した史実にかんして、研究分担者4名が報告を行い、質疑を交わした。 こうした研究活動の進展の上にたって、3月8日には、東北大学東北アジア研究センターにおいて、研究グループの全員が報告をする公開講演会「コミンテルンと東アジア」を開催、日本におけるこの方面の専門家(和田春樹氏、富田武氏)をコメンテーターとして、活発な意見交換を行った。 また、数度にわたる研究グループのミーティングをつうじて、初期のコミンテルンの関係者にかんする履歴データベースのフォーマットのありようを討議し、順次その作成に着手している。この履歴データベースは、スイス・ドイツを中心として、西洋人コミンテルン関係者のデータベース作成にあたっているPeter Huber教授らのグループと提携し、国際的な完成をめざしている。
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[Publications] ISHIKAWA, Yoshihiro: "The Chinese National Revolution and the Eight ECCI Plenum : Exploring the Role of the Chinese Delegate "Chugunov""Chinese Revolution in the 1920s. 141-155 (2002)
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[Publications] ISHIKAWA, Yoshihiro: "Chinese Marxism in the Early 20th Century and Japan"Sino-Japanese Studies. 14. 24-34 (2002)
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[Publications] 石川 禎浩: "「華人與狗不得入内」告示牌問題考"第三届国際漢学会議論文集. 137-156 (2002)
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[Publications] ユ・ヒョヂョン: "満洲における諸民族の支配-『八旗』体制から『区域自治』へ"10. 174-182 (2002)
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[Publications] K.Terayama: "Sovetskaia mobilizatsionnaia politika na Dal'nem Vostoke v nachale 1930-kh gg"Ural i Sibir' stalinskoi politike. 98-125 (2002)
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[Publications] 江田 憲治: "陳独秀研究の地平"トロツキー研究. 39. 200-222 (2002)
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[Publications] A.A.キリチェンコ, 寺山恭輔: "シベリア抑留死亡者名簿〔東北アジア研究センター叢書12〕"東北大学東北アジア研究センター. 777 (2003)