2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14310191
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tenri University |
Principal Investigator |
桑原 久男 天理大学, 文学部, 助教授 (00234633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
置田 雅昭 天理大学, 文学部, 教授 (50248176)
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Keywords | 東地中海 / 鉄器時代 / 都市 / イスラエル / エン・ゲヴ / イスラエル |
Research Abstract |
本研究では、近年、イスラエル国において日本隊(聖書考古学調査団)が発掘調査を継続しているエン・ゲブ遺跡について、1990年〜2001年までの調査記録の整理を行い、調査・研究を深めるとともに、周辺地域の事例との比較検討をおこなって基礎資料を整備することで、エン・ゲヴ遺跡を地域の歴史の中に位置づけて、その意義を明らかにすることを軸にして研究を進めている。今年度は、調査記録、遺構図面や写真、遺物台帳など、調査記録の基本的な整理を進行させるとともに、調査記録(写真)のデジタル化を一部についておこなった。エン・ゲヴ遺跡に関しては、テル・アビヴ大学モシェ・コハヴィ名誉教授の指導のもと、1990-1992年の3期の発掘調査の概要報告を、テル・アヴィブ大学考古学研究所の機関誌"Tel-Aviv"に掲載することが当面する課題になっているが、これをめざして作業を進めた結果、92年までの概要報告作成について、図面作成などの基礎作業をほば完了させることができた。また、当初、情勢が許せば、7月〜9月にかけての期間に、エン・ゲヴ遺跡の発掘調査に平行して、現地に滞在し、土器や石器・金属器など出土遺物の実測作業および写真撮影をおこない、イスラエル国内における遺跡の踏査をおこない、エン・ゲヴ遺跡の列柱式建造物との比較検討を試みる予定であったが、出発直前になって、情勢悪化のためにイスラェルへの渡航中止となったため、急遽、予定を変更して、イギリス・ダーラム大学に保管の現イスラエル国・ラキシュ遺跡の資料調査を行った。エン・ゲヴ遺跡の出土資料や建築遺構の比較研究をおこない、エン・ゲヴ遺跡の歴史的位置づけを求める作業に関しては、ヨルダンなど周辺地域における類例資料の調査や関連文献の調査・収集などを進行させた。
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