2003 Fiscal Year Annual Research Report
言語獲得理論にもとづく普遍文法研究---言語獲得と日英語の比較統語論
Project/Area Number |
14310209
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
大津 由紀雄 慶應義塾大学, 言語文化研究所, 教授 (80100410)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今西 典子 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (70111739)
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Keywords | 言語獲得理論 / 普遍文法 / 生成文法 / 言語心理学 / 認知科学 |
Research Abstract |
各研究分担者は次の研究を行なった。また、全体会議を4回開催し、その都度、研究成果を交換しあった。 (大津) 日本語の直接受身と間接受身の獲得を発話分析により調査し、文文法外の要因をコントロールすると、その獲得は従来考えられているよりもずっと早く、3歳代で完了することを明らかにした。この結果は、昨年度の実験による調査結果と合わせ、普遍文法の原理が関与する限り、文法の獲得はきわめて早く、とりわけ移動が関与しない部分については最小限の経験の取り込みで十分であることを示している。この研究に加えて、言語心理学、とくに第一言語獲得研究の現状とその問題点の整理を継続した。 (今西) 認知体系内で言語機能と接する音声・音韻構造、論理・意味概念構造、情報・談話構造等の特性を詳細に考察し、言語獲得機構がこれらの構造を介して他の認知体系とどのように係わり合うかを探究することが普遍文法研究の進展に重要な貢献をなすという視点にたち、統語部門と音韻部門、統語部門と意味部門、それぞれのインターフェイスの特性と深く係わる言語事象として,(1)照応表現および(2)問い返し疑問に関して,主に日英語の資料を詳細に分析し、比較統語論的観点から普遍特性と変異特性を明らかに,それらがどのような言語獲得過程の帰結であるかを考察した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 大津由紀雄: "「子ども主体の言語発達研究」の本質を問う-生成文法と対比させて"児童心理学の進歩2003年度版. 286-291 (2003)
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[Publications] 大津由紀雄: "言語心理学と文法研究の接点-学習可能性"日本語文法研究. 3巻・2号. 3-7 (2003)
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[Publications] 大津由紀雄: "生成文法"人工知能学会誌. 18巻・6号. 753-761 (2003)
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[Publications] 今西典子(稲田俊明と共著): "照応表現研究-普遍性と多様性の探究-"市河賞36年の軌跡(財団法人語学教育研究所編). 177-192 (2003)
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[Publications] 今西典子: "What wh-echo questions tell us about the architecture of language faculty"Empirical and theoretical investigations into language, ed by S.Chiba et al.. 241-280 (2003)