2003 Fiscal Year Annual Research Report
古代ギリシア・ローマにおける法学と弁論術に関する法制史的総合研究
Project/Area Number |
14320002
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
葛西 康徳 新潟大学, 法学部, 教授 (80114437)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 敏彦 広島大学, 法学部, 教授 (60144804)
小川 浩三 桐蔭横浜大学, 法学部, 教授 (10142671)
吉原 達也 広島大学, 法学部, 教授 (80127737)
林 智良 奈良産業大学, 法学部, 教授 (90258195)
芹沢 悟 亜細亜大学, 法学部, 教授 (10163122)
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Keywords | ギリシア弁論術 / レトリック / ローマ法学 / ディアレクティック / 弁証法 / 法廷弁論 / 法の解釈 / スコラ学 |
Research Abstract |
平成15年度の研究実績の概要は以下の通りである。 第一に、研究メンバーによる研究会を3回開催し、研究テーマ全体の進め方に関する議論と分担者による個別研究報告を並行して行った。研究テーマ全体についての議論では、弁論術(レトリック)と「法学」を比較するのか、弁論術と法を比較するのか、という根本問題について、突っ込んだ議論を行った。「法学」を対象とするならば、古代ギリシアでは比較対象を確定することが極めて困難になるからである。結論には至らなかったが、ギリシア法廷弁論での「法」の取り扱い方を、この問題を解く鍵にすることで合意された。 第二に、個別報告では、ギリシア法廷弁論の具体的分析(北村、葛西)、ローマ帝政期におけるギリシア文芸興隆運動(Second Sophistic南川、桑山)、さらに、中世法学における方法としての「ディアレクティック(対論)と「公共性」(小川など)などが活発に議論された。 第三に、平成16年度の成果発表にむけて、研究成果を本の形でまとめるべく、全体の構成とテーマについて具体的に議論を開始した。平成16年の秋の法制史学会研究大会までに、各分担者が論文を執筆することが合意された。 最後に、各分担者は、本研究テーマと直接関わる論文以外に、間接的には密接にかかわる、著書(南川)やレトリックないし古典資料、さらには古典研究についての翻訳書(南川、吉原など)を出版した。
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[Publications] 葛西 康徳: "Humanities as an Activity"創文. 461. 32-37 (2004)
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[Publications] 吉原 達也: "ハバオーフェン『母権制』とローマ養子法の一側面"法政研究(九州大学). 70・4. 58-72 (2004)
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[Publications] 南川 高志: "古代ローマ帝国と近・現代ヨーロッパの自己理解"歴史としてのヨーロッパ・アイデンティティ(谷川稔編)(山川出版社). 56-71 (2003)
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[Publications] 口石 久美子: "exercitor in potestateについて"法政研究. 70・4. 291-316 (2004)
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[Publications] 小川 浩三訳: "中世教会における法発展の担い手(クヌート=ヴォルフガング・ネル著)"桐蔭法学. 10・2. 49-69 (2004)
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[Publications] 南川 高志: "海のかなたのローマ帝国"岩波書店. 254 (2003)