2004 Fiscal Year Annual Research Report
古代ギリシア・ローマにおける法学と弁論術に関する法制史的総合研究
Project/Area Number |
14320002
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
葛西 康徳 新潟大学, 大学院・実務法学研究科, 教授 (80114437)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉原 達也 広島大学, 法学部, 教授 (80127737)
南川 高志 京都大学, 大学院・文学研究科, 教授 (40174099)
林 智良 大阪大学, 大学院・法学研究科, 教授 (90258195)
小川 浩三 桐蔭横浜大学, 法学部, 教授 (10142671)
高橋 秀樹 新潟大学, 人文学部, 助教授 (80236306)
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Keywords | 古代ギリシア / ローマ法 / 修辞学 / 弁論術 / レトリック / 法廷弁論 / ヴィーコ / トピク |
Research Abstract |
全体研究会を、2004年4月25日(一橋大学)および7月3日-4日(大津)の2回行い、ゲスト・スピーカーも交えて議論を深めた。 本年度は三年計画の最終年度にあたるため、7月に開催した全体研究会で最終報告書及び出版予定の単行本(『古代ギリシア・ローマにおける法学と弁論術』(仮題))に掲載する各人の論文のタイトル及び概要について議論した。 各分担者のテーマは以下の通りである。葛西康徳(総論:問題の所在)、吉原達也(ローマ法学と法廷弁論-カエキナ弁護を素材として-)、南川高志(帝政ローマにおける政治家、行政官の教養としての弁論術)、口石久美子(弁論家と依頼人の法的関係-委任論再考-)、吉村朋代(古代ローマ法における意思主義と文言主義再考)、平野敏彦(現代法学教育における弁論術の意義)、芹沢悟(ヴィーコの法学方法論と弁論術の関係)、小川浩三(中世ローマ法学における弁論術の影響)、桑山由文(第二次ソフィスト運動における弁論術の復興)、高橋秀樹(古代ギリシアにおけるソフィスト・弁論家へのオリエントの影響)、栗原(北村)麻子(ギリシア法廷弁論と公共性)、林智良(レトリックの担い手とその活動-『学説彙纂』での言及を手懸かりに-) 三年間の研究により、残された課題も明らかとなった。第一に、方法論的な分析としてむしろ中世末期から近世の論理学/弁論術の革新が決定的に重要である(例えばラムス主義、ライプニッツ結合法などであり、また教育機関としてのイエズス会の活動である)。次に、資料上の問題として、法廷弁論の実態をあらわした裁判資料が圧倒的に少なく、殆どフィクションとしての文学作品に頼らざるを得ない。しかし近年中世、近世における裁判資料の発掘が進んでおり、上記の方法論の革新の問題を含めて分析の範囲を近世にまで広げて今後共同研究を行う予定である(平成17年度基盤研究(A)申請中)。
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Research Products
(6 results)