2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14320003
|
Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
田中 成明 京都大学, 大学院・法学研究科, 教授 (90025148)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川濱 昇 京都大学, 大学院・法学研究科, 教授 (60204749)
村中 孝史 京都大学, 大学院・法学研究科, 教授 (80210053)
亀本 洋 京都大学, 大学院・法学研究科, 教授 (30183784)
山本 克己 京都大学, 大学院・法学研究科, 教授 (20191398)
山本 敬三 京都大学, 大学院・法学研究科, 教授 (80191401)
|
Keywords | 自己決定 / 合意形成 / 生命倫理 / リベラリズム / 法と倫理 / 正義 / 紛争処理 |
Research Abstract |
本研究は、法哲学・法理論の支援を受けつつ、医療と生命、契約、市揚、労使関係、紛争解決という個別分野の制度設計の問題を具体的に扱い、市民の自律と共生を可能にする制度設計の提言をなすことをも目的とする。 日本型法化社会における自己決定と合意形成に関し、各自の研究と研究分担者相互の討論をへて、各分担者が論文を執筆し、3年間の研究期間の総括を行い、その成果を、研究代表者を編者とする著書『現代法の展望-自己決定の諸相』のかたちで公表した。本書および研究代表者および研究分担者の論文で扱われた個別テーマは、以下のようなものである。 1.生命倫理への法的関与の在り方。ケアの専門職と法および倫理の関係。 2.契約関係における基本権の侵害と民事救済の可能性。取引の自由と契約の自由の関係。 3.労働法と自己決定の関係。 4.多元化する紛争処理システムにおける権利の生成。 5.リスク社会における法と自己決定 6.自律の価値と卓越主義的リベラリズム。 7.選択の自由。 8.格差原理と互恵性。 9.法の形成と公共的理性。 10.シビリティと語りの正義。 11.法の経済分析と自己決定の関係。 以上の研究によって、共同体からのインフォーマルな規制圧力とお上によるパターナリスティックな介入が個人の自律を妨げる傾向の強い日本社会にあって、意見や利害の異なる市民相互が主体的に自己決定を行いつつ、合意を形成するために,法がどのような役割を果たすことができるかについて、多くの重要な知見が得られた。
|
Research Products
(4 results)