2004 Fiscal Year Annual Research Report
IT経済社会の形成と競争政策上の課題に関する総合的研究
Project/Area Number |
14320020
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
根岸 哲 神戸大学, 大学院・法学研究科, 教授 (90030618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
泉水 文雄 神戸大学, 大学院・法学研究科, 教授 (50179363)
川濱 昇 京都大学, 大学院・法学研究科, 教授 (60204749)
杉浦 市郎 愛知大学, 法学部, 教授 (90267881)
濱谷 和生 甲南大学, 法学部, 教授 (30218531)
泉 克幸 徳島大学, 総合科学部, 助教授 (00232356)
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Keywords | 規制改革とIT化 / 独占・寡占規制 / ネットワーク産業と取引拒絶 / 経済のIT化と知的財産保護 / プライススクイーズ / WTO電気通信紛争(Telmex)事件 / ITを用いたADR / IT関連事案における国際執行協力 |
Research Abstract |
(1)今年度、本研究の最終年度として、以下の通り、IT経済社会と競争政策をめぐる諸問題に関する研究会を中心に活動を行った。研究会では、報告に続いて活発な質疑応答や議論を毎回行なった。 第17回(2004年6月19日) 「FCC Triennial Review(2003)における事業法と競争法の関係」西村暢史(富山大学経済学部) 第18回(2004年7月17日) 「IP電話に係るFCC決定」松宮広和(群馬大学社会情報学部) 第19回(2004年11月20日)(1)「IT化と優越的地位の濫用」杉浦市郎(愛知大学法学部) (2)「IT化が寡占共謀に与えるインパクト」土佐和生(甲南大学法科大学院) (2)以上の研究会および平成14年度ないし平成15年度の研究成果として、以下の諸点が確認できた。(1)IT経済社会における規制と競争という問題を考える典型例として、米国およびEUにおいてマイクロソフトが競争法違反に問われた事例およびインテルがマイクロプロセッサ市場における独占行為を問われた事例等、"一人勝ち"状況に対する競争法規制が重要である。(2)経済社会のIT化に伴って、新たな企業行動が競争政策に対し課題を突きつけており、特に独占のレバレッジや価格圧搾・暗黙の共謀・合併等の企業結合・優越的地位の濫用等の規制が、その意義を増している。(3)IT経済社会形成の途上にあって、各種の事業規制法は、競争親和的な方向に規制改革される必要があると共に、事業法規制と独禁法規制の効果的な相互補完を求めて制度が設計される必要がある。(4)経済社会のIT化にとって知的財産保護のあり方は決定的に重要ではあるが、特に技術的保護手段を中心にしてただ闇雲に独占権・排他権の保護を主張するだけでは発明・創作的表現の多様多彩な競争的展開に結びつかず、保護と自由利用との間に適正なバランシングが必要である。(5)IT経済社会のもたらす各種取引の国際化および紛争処理の柔軟化等につき、国際的整合性等の観点から適正な調整が必要である。
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Research Products
(7 results)