2003 Fiscal Year Annual Research Report
社会ゲームの理論と応用:帰納ゲーム、均衡選択、貨幣経済
Project/Area Number |
14330001
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松井 彰彦 東京大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (30272165)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 崇 一橋大学, 経済学研究科, 講師 (80323468)
神谷 和也 東京大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (50201439)
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Keywords | 社会ゲーム / 貨幣 / 探索理論 / ゲーム理論 / 慣習と規範 / 実験経済学 / 帰納ゲーム / 声 |
Research Abstract |
松井はイタリアでのゲーム理論の学会で発表を行った。また社会ゲームの理論をさらに発展、深化させるため、新たに経済学実験に着手した。具体的には、「声」の経済効果に関する研究(共著者3名)を大学院生らと進め、第一弾が出版の運びとなった。この実験ではこれまで「声」が経済学的に意味を持たないとされてきた独裁者ゲームにおいて、服従者による要求という「声」が大きな意味を持つことが示された。また、社会ゲームや帰納ゲームを分析した「慣習と規範の経済学』(松井著、東洋経済)が日経経済図書文化賞を受賞した。その中でも扱った文化の接触に関する学術論文は国際学術誌Journal of the Japanese and International Economiesに受理された。 松井と清水の貨幣経済に関する共同研究は国際学術誌International Economic Reviewに受理された。 神谷の貨幣に関する論文(共著)も同誌に掲載された。 神谷と清水の共同研究も進展を見せた。論文"Real Indeterminacy of Stationary Equilibria in Matching Models with Media of Exchange"(神谷、清水著)を国際高等研究所研究会「多様性の起源と維持のメカニズム」および日本経済学会秋季大会(於明治大学)にて報告した.この論文では,既存の幾つかの貨幣の探索理論(search theory of money)モデルを包括する一般的モデルを分析し,価格水準・厚生水準が異なる無数の定常均衡が存在すること,すなわち「定常均衡の実物的非決定性」("Real Indeterminacy of Stationary Equilibria")が一般的に発生することを明らかにした.このことにより,従来の比較静学による金融政策の分析は,その分析対象としているモデルの特殊な仮定に依存しており,一般的な妥当性を欠くことも明らかになった.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Akihiko Matsui, Takashi Shimizu: "A Theory of Money and Market Places"International Economic Review. (発表予定).
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[Publications] Kazuya Kamiya, Takashi Sato: "Equilibrium Price Dispersion in a Matching Model with Divisible Money"International Economic Review. 45. 413-430 (2004)
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[Publications] 清水崇: "貨幣の探索理論の新展開"一橋大学経研究年報経済学研究. 45. 197-234 (2003)
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[Publications] 山森哲雄, 加藤一彦, 川越敏司, 松井彰彦: "独裁者ゲームにおける「声」"東京大学経済学論集. (発表予定).
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[Publications] Kimberly Katz, Akihiko Matsui: "When Trade Requires Coordination"Journal of the Japanese and International Economies. (発表予定).
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[Publications] Roger Lagunoff, Akihiko Matsui: "Organizations and Overlapping Generations Games : Memory, Communication, and Altruism"Review of Economic Design. (発表予定).